最初にタイトルの一覧があります。タイトルをクリックすると本文が読めます。
「写真」/「ビデオ」/「スライド」マークをクリックするとそのタイトルに関する写真/動画/連組写真が見られます。
本文の最初にも「写真」/「ビデオ」/「スライド」マークがありますが、タイトル一覧と同じ写真/動画/連組写真です。
9日(木)
「楽しいことはいっぱいあるから」
30日(土)
「地デジカと祝う誕生日」
17日(水)
「道の駅しんあさひ風車村」
19日(金)
「南禅寺三門・水路閣・インクライン」
27日(火)
「ヘルパーさんと京都駅」
ともちゃんは、順調に連休のお出かけを楽しんでいます。お父さんの会社はお休みですが、暦の上では平日の金曜日になる今日、京都府立植物園に行きました。連休中は9時の開園前に駐車場に列ができると聞いていたので、お父さんの提案で平日の今日を狙いました。お父さんの予想的中、10時半頃に着いても、駐車場はがらんと空いていて、楽々駐車できました。
ともちゃんが京都に引越して以来、京都府立植物園は、特にこの時期に何度も訪ねています。しかし、昨年は行く機会がなく、2年ぶりの訪問です。いつも通り、まずはレストランでミルクの注入を済ませました。その後は、ともちゃんにとってお馴染みの散歩コース、バラ園から噴水の周りの沈床花壇を経て花菖蒲園を見ながら北上、北山門前の花壇を見て、そこからは奥には行かず、桜林を通って温室前に出ます。
駐車場は空いていましたが、園内はお年寄りや写生に来た小学生の団体で賑やかでした。バラ園まで来てみてびっくり。例年は、満開とはいかなくてもいくつもの花が咲き始めているのですが、今回は全く咲いていませんでした。これにはがっかりでしたが、沈床花壇まで行くと代りに色とりどりのチューリップがまだ残っていて、きれいな写真が撮れました。
五月晴れの日差しに映える鮮やかな花や、黄緑に輝く葉っぱを眺めながら、ともちゃんにとっては丁度いい位の30分の散歩を楽しみました。散歩の間に2回筋緊張が強くなって、車椅子に乗っている姿勢が崩れ、側湾の腰が痛くなりました。でも、腰を伸ばして座り直すと持ち直して、また穏やかな笑顔に戻って散歩を続けることができました。最後は、チルトを最大限に倒しましたが、園内は平坦なのでお父さんも平気です。
ともちゃんがご無沙汰している間に、植物園には写真シール機が置かれ、公式グッズとして缶バッジが売出されたということをホームページで知りました。それなら是非とプリクラ機に向います。ともちゃんはカメラに向ってニコニコ笑顔を見せていましたが、お母さんがモタモタと画面を選んだので、ちょうどシャッターが下りる時にはお澄まし顔になっていました。きれいな花に囲まれて澄ましているプリクラは、チューリップとバラの缶バッジと併せて、いい記念になりました。
ゴールデンウィークのお出かけは今日でお終いということで、帰りには最近リニューアルオープンした家の近所のスーパーマーケットにも寄道しました。車の中でウトウトしていたともちゃんは、新しくなったスーパーでの買物も楽しそうにしていました。土曜、日曜の2日間はゆっくり休みましょう。来週からは通園や訪問の普段の楽しみが待っています。そして、またお休みの日には家族でお出かけしようね。
一昨日、昨日と大きなてんかんの発作があり、昨日は一日中眠たくてよく昼寝をしていました。けれど、夜はぐっすりと眠り、今朝はご機嫌で起きてきて、ニコニコしています。数日前、両親が「植物園のバラ、今が満開らしいわ。土曜日、ともちゃんが元気やったら、今度こそバラを見に行こか。」と話していたのを覚えていたのでしょうか。「私は元気やでー。」とアピールしています。
昨日も発作があったので、お母さんは「無理はせんとこな。日曜日に行ってもええし。」と言っていたのですが、この様子なら大丈夫そうです。ともちゃんは、前回よりも速いペースで朝食を食べ終えたので、植物園に着いたのはレストランが開店する少し前でした。今日は先にバラ園を少し散歩することにしました。遠くからでも、バラ園は色とりどりで、今が見頃であることがすぐに分りました。
近付くとよい香りに包まれて、さらに華やいだ気持ちになります。人出も多くて、写真を撮ったり、写生をしたり、一つ一つの花をじっくりと眺めたりと、人それぞれのやり方でバラ園を満喫していました。ともちゃんはモデルさん。きれいな花の前でたくさん写真を撮りましょう。ともちゃんは、車椅子を止めて写真を撮るよと構えると笑うのを止めてしまうことが多いのですが、今日ははしゃぎながらバラ園を回っていたので、笑顔の写真が何枚も撮れました。
ちょっと疲れてきたので、ちょうど開店したレストランに入ってミルクの注入です。お父さんの抱っこでリラックスして、筋緊張を解しました。前回、笑顔が撮れなくて残念だった植物園プリクラにも再挑戦しました。しかし、今回もやはり微妙にタイミングがずれてしまいました。やはり、ともちゃんは、車椅子で移動している方がよく笑ってくれるようです。
食後も、植物園内を広く散策するのは止めて、まだまだバラを見て回りました。バラは本当に多種多様で、それぞれに美しく、あれもこれもと前まで行ってゆっくりと見て、写真を撮りたくなります。薄い紫色のバラ(うたい文句は「青いバラ」)もありました。今回はバラ園だけで移動距離は短かったので、腰が痛くなることもありませんでした。じわりと汗ばむ季節、強い日差しは日傘で遮り、気持ちの良い風を感じながらの散歩をすると、今年もまたともちゃんの季節がやってきたと思うのです。
ともちゃんは朝から張切っています。今日はH園のスポーツ大会です。先日の植物園の時もそうでしたが、ともちゃんは言葉を理解していないはずなのに、園の行事やお出かけなど、楽しいイベントがある日はなぜかちゃんと分っているようです。ミルクの注入の間も、ミルクを飲んだ後も、適度に力を抜いていればいいのに、大きな目をキラキラさせて気持ちを逸らせていました。
ともちゃんには、てんかんの持病があります。薬でコントロールしていますが、週に1度くらいの割合で硬直して全身をガクガクさせる大きな強直間代発作を起してしまいます。興奮していると発作が起りやすい上に前回の発作からちょうど1週間位経つので、ともちゃんの朝の様子にお母さんは「これは、ちょっと危ないかも。」と警戒していました。小さな発作ならダメージはないのですが、大発作が起ってしまうと園をお休みして、休養日となります。
ともちゃんは、朝食としてミルクの注入の後、1時間位時間を空けて口からお粥ペーストを食べています。そろそろお粥を食べようとしていた矢先、ともちゃんは体を硬直させたと思ったら、すぐにガクガクと大発作に入ってしまいました。体を突張らせた硬直姿勢からガクガクに入りかけそうになった時に、ともちゃんを横抱きにして体を丸く前屈するように包み込むと、間代発作に入らずに済むこともあったのですが、今回はダメでした。
ガクガクが40秒、その後、体を強直させてビクッビクッとぎこちなく強張っている状態が2分くらい続いて、やっと治りました。発作でダメージを受けたともちゃんはそのまま40分眠って、起きてきました。いつもはもっと長く眠っていますが、今日は長く眠ってはいられないと思ったようで、笑顔を見せて元気さをアピールしています。本当に元気になったのなら通園させてあげたいという思いは、お母さんにもあります。
お粥を食べ出してみると、カラ元気であることが判明しました。ともちゃんは、まだまだ眠たいのです。お粥を口に入れると嫌な顔をしています。「ともちゃん、まだしんどいなー。楽しいことはこれからも一杯あるから、今回は無理せんとこな。」、お母さんの言葉に、ともちゃんは情けない顔で低く小さく「ウーン」。言葉を理解していなくても、雰囲気を感じてちゃんと返事をしていました。
というわけで、H園に通い始めて4年目の今年、今までは毎年参加できていたスポーツ大会をお休みです。大丈夫、スポーツ大会はきっと来年もあるでしょう。発作のダメージを長く残さないためにも、あせらない、無理しない。今日はゆっくり過ごしましょう。楽しいことは、次々に待っているから。
最近、ともちゃんは今までにも増して音に過敏です。包丁で野菜をトントントンと刻む音や、机の上を片付ける時にカサコソと紙が擦れる音にまで、その度にいちいちビク、ビク、ビクと体を硬くして反応します。そんな時、ともちゃんを抱っこしているお母さんは「大丈夫、大丈夫。お父さんがご飯を作ってくれてる音やでー。」、「びっくりしたなあ。あれは片付けてる音やで。」と話しかけています。
ともちゃんは、赤ちゃんの時に誘発電位という脳波の検査をしてもらって、聴覚と触覚は正常に働いているものの視覚に関しては脳性の弱視であることが分っています。目そのものの機能に問題はないのですが、目から入った信号を脳で処理する場所が著しく損傷しているのです。それでも、ともちゃんは少なくとも明暗は分るようなので、脳の中の本来視覚を司るところとは違う場所で視覚の処理をして、極めてぼんやりと物が見えているのではないかという説明を受けました。
そんなわけで、ともちゃんは、ずっと聴覚優位で生きていて、もともと音には敏感です。静かなところで急に音が鳴り響くと誰でもびっくりしますが、音の原因を視覚情報で確認すると状況が納得できます。そして、大抵の人は同じ音には慣れてきて、驚かなくなります。でも、ともちゃんはほとんど慣れることがありません。また、普通なら驚く程ではない小さな音であっても、周囲の音とは異なる鋭く耳に響く音は苦手で、ビクッと驚いています。
こんなともちゃんですが、音に対する驚き具合が違う時があります。いつもはびっくりするとビクっと体を一瞬硬直させるのですが、ビクっとした直後にフッと力が抜けて、ホッとしたように「アハハ」と笑うこともあります。また、ビクッとせずに「平気やったわ。」と言うように「アハハハ」と笑っていることもあります。でも、決して同じ音に対して、次も「平気」という訳ではありません。どうも、ともちゃんの脳の神経回路の繋がり具合に依存しているようなのですが、詳しいところは分りません。
最近、ともちゃんが一番苦手とする音は吸入器のポンプのブブブブという振動音です。朝の吸入では平気なのですが、夜の吸入では、「アワワワ」と驚いてビクンビクンビクンと体を引きつらせています。それで、吸入の前には、ともちゃんの耳元でお母さんが唇を震わせて「ブブブブやで。」と言って、ともちゃんをまず音に慣らすようにしています。そのうえで、吸入器のスイッチを入れると、ともちゃんのびっくり具合が大分ましになります。
健常者でも何が起っているのか分からない暗闇の中で急に音がしたら、不安になったり、恐怖を感じたりするものです。ともちゃんがまず音に驚かないように、驚いたとしても、それが不安や恐怖に変わらないように、抱っこして声をかけるようにしてきました。最近、今まで以上に音に過敏なことは、てんかん発作が少し増えてきていることや、筋緊張が強くなっていることと関係しているようです。長い目で様子を観察していこうと思います。
地上波デジタル化完了(アナログ停波)まで「あとXX日」とテレビの隅に出ているのを見る度に、ともちゃんの家族はニヤリとしていました。なぜなら、それは、ともちゃんの誕生日へのカウントダウンでもあったからです。そう、「アナログ放送は終了いたしました。」という表示が消えた2011年7月25日午前0時、ともちゃんは22歳になりました。
25日の朝、リビングに起きてきたともちゃんの定位置のテーブル上には、プレゼントが並んでいました。ピンクの箱を開けると、黒猫が飛び出してきて「Happy Birthday to You」を歌ってくれます。ともちゃんは、聞きなれない声にキョロキョロとその声の主を探していました。猫の人形をともちゃんの頬に触れて、「この猫さんの声やで。」というとニカーっと笑顔が出ました。キラキラの髪留めはH園に行く時に着けていきましょう。新しいパジャマは今晩から早速使いましょう。
30日の土曜日には誕生日ケーキをデコレーションしました。今回のケーキは、ともちゃんが大好きな食べ物、メロンを使ったケーキです。まずは、メロンボーラーを使って、半分に切ったメロンから球形のメロンを繰抜いていきます。メロンボーラーを手に握らせてもらって、お母さんに一緒に持ってもらって、ともちゃんはメロンをクリクリっと・・・あ-あ丸くなりませんでした。失敗・・・
半球形や、それに近いいびつな形のメロンが次々にすくい取られるのを見て、お姉ちゃんとお父さんが、周りであれこれアドバイスしてくれます。メロンボーラーを頭から突っ込んで、くるりと回すときれいな球状に繰抜けます。コツが掴めると、「メロン、クリクリー」で1個、また1個と調子よくできてきて、ともちゃんも楽しそうでした。
次は、ケーキ台の上に、生クリームを絞ります。ケーキ台は、ともちゃんにはお馴染みの小麦アレルギーの人用に米粉でできたもので、メロンを盛り易いようにお姉ちゃんが凹の形に加工してくれました。生クリームを入れた袋を持たせてもらって、上から手を添えてもらって、ニョロニョロと絞り出すと、ともちゃんはアハハハと大喜び。絞り袋の冷たくてプヨプヨした感触が心地よいのか、ともちゃんの一番好きな工程でした。
絞った生クリームの上に球状のメロンを盛りつけて、出来上り。余ったクリームとメロンをお皿の淵にも並べて、オレンジ色と緑色が美しい豪華なメロンケーキになりました。出来上がった誕生日ケーキは家族でいただきました。ともちゃんはミキサーにかけて食べましたが、ミキサーにかけるとメロンの水分で生クリームとケーキの味がするメロンジュースのようになりました。メロンジュースが好きなともちゃんはアムアムとおいしそうに食べました。
ともちゃんの今年の夏一番のビッグイベントとして、新幹線に乗って広島県福山市まで行ってきました。九州新幹線の開通という話題もあって、「ともちゃんもまた新幹線に乗りたいね。」と計画を立てました。ともちゃんが無理なく日帰りできる距離で、ともちゃんの往復に都合のよい時間に列車があること、そして駅構内に大きなお土産屋さんがあるという条件で行先を選定しました。「岡山」は中学校、「広島」は高校の修学旅行で訪れていたので、今回はその間にある「福山」に決めました。
車椅子用の座席の指定券は、車椅子専用ダイヤルで1ヶ月前から予約することができます。首尾よく希望通りの列車の予約が取れたともちゃんは、京都駅まで車で行きました。久しぶりに訪れた駅の混雑ぶりに少し圧倒されたようでしたが、お父さんが「もうすぐ、カレーの匂いのする短いエレベーター(南北自由通路から新幹線中央口に降りるためのエレベーターで、カレー屋さんの横にある)やで。このエレベーター覚えてるかな?」と声をかけると、雑踏の中でも大笑い。これ以降はのびのびと、ともちゃんのペースで行くことができました。
行きの新幹線の中で、ともちゃんはミルクの注入をしました。車椅子席は、座席が3列の側に2列しかなくて、通路側の1席分のスペースに車椅子を止めることができます。ともちゃんのミルクは、車椅子に取付けられた点滴棒にぶら下げるので、この車椅子席は有難いです。お父さんに抱っこされたともちゃんは、ゆったりとふんぞり返って、くつろいでいました。岡山駅で、連絡する在来線特急の遅れのために少し長く停車した時、ともちゃんは張切った顔になり、そわそわニコニコしました。ここで降りるんだと勘違いをしたようでした。
福山駅に着くと、エレベーターの中から既にニコニコして足をピンピン突張らせ、気合が入っていました。改札口を抜けてすぐのお土産屋さんに入ると、ともちゃんはパワー全開の笑顔。車中でボーッとできたのが良かったのでしょう。広島と岡山のたくさんのキティちゃんがいましたが、今日は広島の原爆記念日ということで「広島折鶴キティ」を選びました。それと、家族が尾道ラーメンをお土産にしたのにあやかって「尾道ラーメンキティ」、おまけに「瀬戸の花嫁キティタオル」と「広島キティぷっくりシール」を買いました。
家族のお土産と駅弁も急いで買って、駅北口の福山城石垣の前で記念写真を取った後、余裕を持って上りホームに上がりました。ホームからは先程見た石垣の上にある天守閣が正面に見え、下を覗き込むと福塩線の小さい電車が見えていました。福山駅での滞在時間が1時間20分の贅沢な旅です。帰りの新幹線では、ともちゃんは経管での水分補給の後、お母さんの抱っこで新神戸まで眠って元気を取戻し、最後に車窓の馴染みある風景を楽しみました。
ともちゃんと一緒に楽しいお出かけをした時にはいつも思うことなのですが、「また、行きたいね。」。今回も例外ではなく、京都駅からの帰路の車中の話題は「次は新幹線でどこまで行けるかな?」でした。今回の行先を決めるに当って色々と検討したので、それ以上の候補地はなかなか見つかりません。そうなると、今度は「1泊できたらいいなあ。」。すぐには無理でも何時かは・・・夢は広がります。
お父さんの夏休みです。ともちゃんは「しんあさひ風車村」にお出かけしました。琵琶湖の西、滋賀県高島市にある大きな風車が目印の道の駅です。ルートとして名神高速には乗らず、地道を走って伏見から山科までは阪神高速8号京都線を使いました。数年前に琵琶湖方面から帰った時には、阪神高速京都線は稲荷山トンネルの部分と市街地の道路がまだ繋がっていませんでした。今回は、山科までちゃんと繋がっています。
でも本当は、8号京都線を通っている間、ともちゃんはぐっすりと寝ていたのです。「明日のお出かけは、朝ご飯が早く食べられて早い時間に出発できたら、ちょっと遠くの琵琶湖の道の駅まで行こな。」、ともちゃんは、昨日お父さんが話していたことを覚えていたのか、早起きしてご飯も早く食べ終えました。朝から張切ったともちゃんは車に乗ると眠ってしまい、起きてきたのは湖西道路に入ってからでした。
お盆休みの混雑を避けてのお出かけですが、道路はタンクローリーやトラックが多くて、合流地点では少し渋滞もしていました。湖西とはいえ、ずっと琵琶湖は見えなかったので、窓の外の風景に琵琶湖の湖面が見えてくると、遠くまでやってきた感じがして、さらに気持ちが盛上がります。実際、琵琶湖の南から半分以上のところまで来ています。通り過ぎた高島バイパス沿いの道の駅「あどがわ」には、ぎっしりと車が止って賑っていました。
ともちゃんが行くのはあともう少し先。高島バイパスを琵琶湖畔に向って折れた先にありました。高島市には山際にあともう一つ、合計3つの道の駅があります。「風車村」には、オートキャンプ場や花菖蒲園、子供遊具を備えた公園などがあります。幹線道路沿いにあって職業ドライバーに便利という旧来のドライブイン型の道の駅とは違って、琵琶湖畔で遊ぶことを目的にしたところです。ともちゃんは、ここまでドライブすることが目的だったので、今回はレストランで風車を見ながら注入をしただけでしたが・・・
食後のお土産買いは欠かせません。売店は地元農家の野菜がメインらしく、グッズはあまり置いていません。でも、丹念に探すと、7人の小人キティちゃんが銘々に楽器を演奏しているというフィギュアのセットがありました。これは掘出物、笑顔で購入しました。家族用には、地元安曇川特産のアドベリーのお菓子を買いました。湖畔まで少しだけ村内の散歩もしました。そうそう「風車村」に大勢いたのは、サイクリングの人たち。自転車で琵琶湖一周するのが流行っているようです。
帰りは湖周道路を通ると、沿道のコンビニにはサイクリング車が何台も止っていました。お母さんは、左腕でともちゃんの肩を支えるように横抱きにするので、往路は琵琶湖を眺めながらでしたが、帰路は比良山を仰ぎ見ながらでした。湖と山、自然を満喫した楽しい夏のドライブでした。帰り道、ともちゃんはずっと起きていたので、山科から稲荷山トンネルを抜けて伏見まで繋がった8号京都線もちゃんと確認できました。
ミルクの注入のために入ったファミリーレストランでは、個室に案内されました。座敷の席でゆったりと抱っこされて、ともちゃんはミルクを注入しながら、お父さんとお話ししています。「今日、行ったとこ分ってるか? 南禅寺三門、水路閣、インクラインやで。」。しっかりと散歩をして、車の中ではちょっと眠そうなともちゃんでしたが、思いがけなくくつろげて、元気になって笑顔が戻っていました。
ベタな京都の観光地に行ってみようというお母さんの提案に、車椅子でも行きやすいとお父さんが推薦したのが今日のお出かけ先、南禅寺界隈でした。南禅寺の中には、京都のガイドブックには大抵載っているレンガ作りのアーチ型の建造物、水路閣があります。水路閣は、琵琶湖の水を京都市内まで引込む疏水の水路橋で、あのアーチは橋脚、その上を疏水の水が流れています。
琵琶湖を出発した疏水は、トンネルで山の下をくぐり、南禅寺の手前で地上に出てきます。ここで2経路に分かれ、ひとつは水路閣を経て哲学の道へ。もうひとつは水力発電に利用された後、岡崎疏水になって鴨川に注いでいます。疏水が作られた頃には、疏水を利用して大津-京都市内間を船が往来していました。水を水力発電に利用するために落差がある箇所は船が通れないので、傾斜路に通した鉄道を走る台車に船を載せて、上げ下ろししていました。これがインクライン(傾斜鉄道)です。
南禅寺は三門から水路閣までを散策しましたが、境内はアスファルトの広い道で、そこから水路閣へと逸れる道も大きな敷石で、車椅子でも移動しやすかったです。道の両側には樹木が茂り、蝉が鳴いていて、心の落着く場所でした。三門は2階建ての門で、石川五右衛門がその上で「絶景かな、絶景かな。」と言った場所だということをともちゃんはお父さんから聞いていました。でも、急な階段を昇るのは無理なので、下から見上げるだけにしました。
インクラインを見に、湯豆腐屋さんが並ぶ参道を抜けて、南禅寺の外へ出ました。白川通りとの交差点を左に折れると、すぐにインクランの線路が見えます。インクラインの線路に沿って緩やかな坂道を少し登ると、道の向かい側には蹴上発電所や蹴上浄水場が見えて、この辺りが琵琶湖疏水の京都側の起点であることが分ります。参道のお土産屋さんにも寄って、舞妓はんキティちゃんを買いました。
今日は雨上がりの曇天、日差しがない分凌ぎやすく、時折吹く風が心地よい散歩でした。ずっと車椅子に座っているともちゃんの側湾の腰が痛くならないように、座席をチルトして上体を寝かせ気味にして行きました。ともちゃんは1時間程度の散歩の間、腰が痛くなることもなく、ずっとご機嫌でした。
ともちゃんは、22歳の誕生日プレゼントとして、お父さんにキティちゃんの財布を買ってもらいました。牛皮にキティちゃんの総柄が型押ししてある二つ折り財布、大人向けの本格的な財布です。きっかけは何かの冊子の通販広告でお母さんが見かけて、ともちゃんに「こんなん、どう?」と話をしたことでした。ともちゃんは大喜びして、大いに乗り気です。値段もしっかり大人用でしたが、お父さんが買ってくれました。
お買い物好きなともちゃんも立派な大人なので、キティちゃんの子供財布を首から掛けているのは(それはそれで、便利だし、可愛いのですが)、卒業してもいいかなと思っていたところでした。広告には、使い込むほどに牛皮がいい具合に飴色に変って馴染んでいくとありました。ともちゃんが、これから先も10年、20年、いやもっとずっと元気でこの財布を持って、お買物を楽しんでいてくれることを願ってのプレゼントです。
昨日、お母さんが「この3連休はお家でゆっくりしような。」と宣言すると、ともちゃんは「ウーン」と低い声で抗議しました。それを聞いていたお父さんは「ともちゃん、すごい! 作戦通りやな。」。このところ、体調が優れない日があり、休日にはしっかりと休養をとった方がいいと思っているお母さんに対して、ともちゃんはお父さんと作戦を立てていたようです。ともちゃんが抗議すると、お父さんが「明日元気にしていたら、近くにお出かけしよな。」とフォローするというものでした。
そんなわけで、今日は新しい財布を持って、ともちゃんの好きなショッピングセンターに行って来ました。ショッピングセンターに着いて、財布を入れたバッグを持たせてもらった時、ともちゃんは勝ち誇った笑顔を見せていました。フードコートでミルクの注入をして、9月末で終了するサンリオポイントカードの景品をもらうだけのつもりでしたが、キティちゃんのくじも引いて、先日お母さんが割ってしまったマグカップも買いました。お母さんが財布を出している時、ともちゃんは真剣な顔をしていました。
景品のティッシュボックスと、くじで当たったランチボックスを車椅子に下げて、満足そうにしていたともちゃんでした。9月に入ってすぐ、楽しみにしていた恒例の同窓会は台風で流れてしまいました。その前後、涼しくなっていたためか少しアレルギーの症状が出て、舌根沈下も強くなっていました。次の3連休は本当に絶対家で休養です。9月末には、ガイドヘルプを利用して、ヘルパーさんと初めて電車でのお出かけをする予定だからです。
行ってきました、京都駅前地下街のポルタ! ともちゃんは、行動支援(ガイドヘルプ、略してガイヘル)の制度を初めて利用して、ヘルパーさんとポルタでお買物をしてきましたよ。以前から、ヘルパーさんにホームヘルプに来ていただいた時に、折に触れてガイヘルのお話を聞いていました。いつかは、ともちゃんもヘルパーさんとお出かけできるようになれば、楽しみが増えていいなあと思っていたのです。
ガイヘルでは支援センターの送迎サービスは利用できず、公共交通機関を使うことになっているので、行先は京都駅、そして雨天でも便利なポルタに決めました。京都駅なら、ともちゃんも養護学校時代に学校からJRで行ったことがあります。長く車椅子に乗っていると側湾の腰が痛くなるのですが、このくらいの時間なら多分大丈夫です。もし、腰を伸ばしたくなっても、平日の昼間の各駅停車なら座れるでしょう。
自宅から、最寄り駅までは介護タクシーを使うことにしました。介護タクシーは料金が普通のタクシーより高くなりますが、車椅子をそのまま折りたたまずに乗せられるのが魅力です。ともちゃんは抱っこで乗るので車椅子は空のまま乗せますが、今回試しに使ってみます。近隣の介護タクシーの事業所で料金や車種を比較して、ともちゃんを抱っこしたお母さんとヘルパーさん2人が座席に座れるセレナを使っているところに決めました。
事前準備は万端です。今朝10時、ともちゃんは張切ってヘルパーさんを迎え、順調に介護タクシーで駅に向いました。ヘルパーさんにキティちゃんの財布から出したお金で切符を買って貰います。少しの間、列車の旅を楽しんで、雑踏の京都駅に降り立ちました。京都タワーの前で記念撮影をして、地下街に下りるとキラキラ華やかなディスプレイの洋服屋さんがあって、ともちゃんの表情に笑顔があふれます。ミルクの注入をする予定だったベンチが混雑し始めていたので、先にミルクの注入をしました。
その後は、買物を楽しみます。今日の買物は3つ、京都キティのストラップ、家族へのお土産のお菓子、自分用の髪飾りです。キティちゃんは、京土産エリアでたくさんの中から迷って、ちょっと大きな着物キティを買いました。お菓子は、予定していた京都銘菓をすんなりと購入です。ファッションエリアの雑貨屋さんにはハロウィングッズがたくさん出ています。そんなお店も覗きながら、アクセサリー屋さんを3件回って、髪飾りは光る石の並んだ可愛いパッチン止めに決めました。
一通り買物が終った頃には、帰りの時間が迫っていました。ともちゃんは、フッと眠りそうになりながらまた覚醒して笑っているので、体力的にもちょうど良い頃合いです。帰りの行程も楽しんで、無事に家に戻りました。時間的にも場所的にも無理がなく、本当にちょうどよいお出かけでした。介護タクシーの運転手さんも親切でした。そして、何より、ともちゃんが様々なシーンで期待や満足の笑顔をたくさん見せてくれて、お出かけは大成功でした。
でもね、実はね、昨日の朝、全身がガクガクとなる強直間代発作が起って、ともちゃんはそのダメージで一日中元気がなかったの。お母さんは、今日のお出かけはキャンセルになるかもと心配していたのですよ。ちょっと筋緊張が強かったり、硬直したりもあったけれど、今日は朝から元気で楽しく行くことができました。本当によかった。この調子で、秋のお出かけをどんどん楽しもうね。来週は、デイセンターからのお出かけで、「映画村」に行きます!