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29日(土)
「同窓会」
31日(土)
「抗てんかん薬その後」
昨年に引続き、ともちゃんは今年もデイセンターからのお出かけで、東映太秦映画村に行きました。去年は、みんなが一泊旅行に出かける中、宿泊できないともちゃんへの個別対応という形でのお出かけでしたが、今年はともちゃんのグループ全員が映画村に行きます。グループのメンバーを3班に分けて、日を変えてそれぞれに出かけたのですが、ともちゃんは先輩のメンバーさん2人と一緒に園の車を2台連ねて、賑やかに出発しました。
今回一緒に行くメンバーさんは全員経管栄養なので、ユニバーサルルームで一緒にお昼の注入を行いました。入村ゲートからユニバーサルルームに向う途中、頭上高く、忍櫓から本丸へと忍者(人形)が綱渡りをしていてびっくり。去年来た時は気が付かなかったなあと、映画村の奥深さにいきなり興奮です。ユニバーサルルームにはベッドや靴を脱いで上がるスペースもあり、ともちゃんはベッドの上で抱っこして貰い、ゆったり注入しました。
先輩達より一足先に注入を終えたともちゃんは、お土産屋さんを偵察に行きました。お買物大好きなともちゃんは、お土産屋さんの雰囲気にワクワク、目を輝かせています。暴れん坊将軍キティちゃんのタオルを見て、大笑い。さっさと、自分用に忍者キティと銭形平次キティの根付け、誕生日月のキラキラキティのストラップも買いました。家族には、印籠の形の箱に入ったお菓子と小判型の箱に入ったチョコを買いました。
お土産屋さんの館内にあるプリクラ機の前でみんなと待合せ。総勢9名で映画村プリクラを撮ります。車椅子の人2人と立上がった先輩、まわりに職員さんと看護師さんで画面は一杯、一番後の人はスクリーンを持上げての参加でした。ワイワイ大騒ぎしながら選んだ背景のお城は、人に隠れてほとんど見えませんが、こういうところが一緒に来て楽しいところです。追加で印刷して、3人で分けたプリクラは良い記念になりました。
みんな揃って江戸の街に繰出しました。吉原の街で見かけたお侍さんと、幕末の京都の寺田屋の前で、みんなで写真を撮りました。極めつけは薬種問屋さん。中に入って、Kさんは番頭さん、ともちゃんとYさんはお客さんになってポーズを決めました。今日はテレビの撮影はなかったのですが、ライトや撮影機材を積んだカートが街中を走り、蝋燭屋の屋根に梯子を掛けて撮影の準備をしていました。
一緒に写真を撮った若い女優さんに、H園のともちゃんのグループに宛てて、色紙にサインをしてもらいました。書いてもらっている間、ともちゃんは楽しそうに大笑いしていました。「まだ台詞もなく、名前も出ていないんです。」とおっしゃっていましたが、水戸黄門を見る時には画面の隅々まで探しますよ。日本橋を回り、名物の印籠最中アイスを買って(ごめんなさい、アイスは付添いの人達が食べました。)、帰る時間まで村内を目一杯散策しました。
今日は、ともちゃんが卒業したM養護学校の同窓会「夏のつどい」です。例年は9月の第1土曜日にあったのですが、今年は台風のために延期になっていました。長い間ご無沙汰している先生方や友達に久しぶりに会えます。最近のともちゃんの様子をたくさんお話ししたいです。それなら、写真や現物を見ていただくのが一番ということで、ともちゃんはおしゃれクラブでデコレーションしたTシャツを着て、自分のiPhoneに最近の写真を入れて、映画村の写真アルバムを持って行きました。
おしゃれクラブは、第2H園のクラブ活動で4月から活動しています。運悪く活動日にお休みすることが多く、なかなか参加できなかったのですが、9月にようやく参加できました。その時の活動内容が無地のTシャツに、レースとキラキラビーズのクリスタルシートでデコレーションするというもの。ともちゃんはベージュ色のTシャツに合せて、色んな色がある中から黒色のレースと、赤いリンゴの柄のクリスタルシートを選びました。レースは専用の接着剤で、クリスタルシートはアイロンでくっつけたそうです。
活動した日、職員さんがお母さんに「(他にも赤などの派手な色があるのに、敢て)黒を選ばれたんですよ。」と教えて下さいました。左胸に赤いリンゴが光るベージュの地色に黒のレースはとても映えて、素敵なTシャツです。「ここには黒を持ってくるのがベストやんな! センスいいわあ!」、「赤やピンクの服が多いから、それらと合うように決めたんやなあ! すごいなー!」と家族からもいっぱい誉めて貰って、ともちゃんは得意げでした。そして、このTシャツのコーディネイトの話で、同窓会もひとしきり盛上りました。
おしゃれなコーディネイトで学校を訪ねたともちゃん、懐かしい先生に車椅子を押して貰って、会場の寄宿舎まで長い廊下を行くと、今年も自然に笑顔がこぼれました。今年は例年とはプログラムが違って、自己紹介の後は、ボーリング斑と音楽斑に分れて楽しみます。昨年、Y支援学校が開校されたのに続き、今年またU支援学校が開校されて、ともちゃんのM養護学校(今はここも支援学校に改称されています)の校区が変りました。それに伴い、多くの生徒さんがY支援学校やU支援学校に転出されました。転出した小学部から高等部までの生徒さんも卒業生も一緒に楽しめるように、企画を改めたようです。
音楽斑を選んだともちゃんは、自分の自己紹介が終ったら、ミルクの注入をするために一足先に音楽室に行きました。みんなが来るまでの間、先生に写真を見ていただき、近況もたくさん報告できました。音楽斑では、先生方が演奏、紙芝居に人形劇をして下さって、ともちゃんはミルクを飲みながら楽しみました。お父さんの抱っこで注入をしたともちゃんは、注入が終って先生に抱っこして貰うと、嬉しそうにニコニコしていました。
お腹も一杯になり、学校時代の調子もすっかり取戻したともちゃんは、まだまだ同窓会を楽しむよと張切っています。ですが、体力と夕方の予定を考えると、そろそろ帰らなければなりません。みんなは、これからビンゴゲームをします。先に好きな景品をどうぞと言って下さったので、遠慮なく選ばせていただきました。たくさんの中から、お父さんの好きな阪神タイガースのタオルに目が止りましたが、先生がキティちゃんのバッグを見つけてくれました。おっと危ない、良かったね、ともちゃん。名残を残して帰ります。また来年!!
朝、何気なく点けたテレビの番組で、今日の星占いをやっていました。一番ハッピーな星座は獅子座、ともちゃんの星座です。今日は午後から、ともちゃんが通っているH園のフェスタですから、運勢通り、充実した秋の休日になるといいですね! だいたい今日の天気は、薄く曇っていて日差しはまぶしくないけれど、気温は高くて風もありません。穏やかで屋外での活動にぴったりの天候です。これだけでも、すでに幸運ですね。
ともちゃんは、例年以上にフェスタに期待を持っています。なぜなら、今年はスポーツ大会も夏祭りも、園の行事の時にはたまたま体調が悪くて参加できなかったからです。特に夏祭りでは、ともちゃんのグループで、ジュースとコーヒーのお店を出したので、ともちゃんもお店番をしたかったようです。今回のフェスタでも、ジュースとコーヒーのお店を出すので、今度こそと張切っています。
通園すると、早速、お店番の仕事が待っていました。まずは、お父さんとお母さんがコーヒーとミックスジュースを注文して、一緒に販売されていたチーズケーキも買っていると、これがサクラ、いや呼び水になってお客さんがどんどんやって来ました。ずらりと長蛇の列が出来て、大人気です。ともちゃんは、大きなボタンを押して、コーヒーミルの電源を入れていました。コーヒーミルやミキサーのスイッチが大きなボタンに改良されていて、メンバーさんが作業出来るようにしてあるのです。
当番の時間が終ると、お店を見て回ってお買物。隣の「第2H園2階」のグループさんのお店で、さをり織りのシュシュを見つけました。「ちょっと着けてみる?」、「どう?」、「ニハハハハ!」と笑顔で購入を決定したともちゃん。100円玉を2枚うまく握らせてもらうと、お店番のメンバーさんがスルッとともちゃんの手から抜取るまで、しっかりと笑顔で握っていました。
順番にお店を覗いて、以前のともちゃんのグループが作っている「まいどレーヌ」や、パウンドケーキを買いました。保護者会のバザーでは、新品の赤いバレエシューズを購入です。H園になる以前、みんなで部屋を借りて、養護学校卒業後に通う場所を作っておられた頃からある物品で、小さいサイズだけが残っているとのことでした。かわいい赤色の靴が、運良くともちゃんにぴったりでした。H園のルーツの空気に少し触れた気がして、嬉しいです。お安くして頂いて、申し訳ありません。
後援会のお店では、何かのおまけのストラップや缶バッジ、キーホルダーなど、何でも3 個10円という破格のお値段。あれこれ選ぶのも楽しいです。職員さんや看護師さんも一緒にわいわいと品定めです。中に食品サンプルのようなリアルな餃子のストラップがあり、迷いましたが、ともちゃんはキティちゃんの缶バッジをデザイン違いで2個にイチゴケーキのストラップと可愛くまとめました。
もう一度、お店番をした後、舞台発表のフィナーレとしてH園も第2H園もメンバーさん全員でゆずの「スマイル」を合唱します。園での練習の様子として、「最後の『スマイル!』で手をあげるところ、ともちゃんは足をピーンと上げていました。」と連絡帳に書かれていました。家でも、ともちゃんのiPhoneにスマイルをダウンロードして、何度も歌いました。さて、本番は・・・。だんだんと気分が乗って笑顔のともちゃんは「スマイル!」で、ニュ、ニューと足を上げていました。
H園フェスタの今日は、朝の星占い通り、お店番、お買物に発表と楽しく充実した1日でした。お店番では、ともちゃんが当番の時に、たくさんお客さんが来てくれたので、看板娘やなあと言って貰いました。お買物したおしゃれ用品は、また園に着けたり、履いたりして行きましょう。唯一の心残りは、スマイルを歌った時、CDが大きな音でかかっていたので、職員さんの演奏が聞こえなかったこと・・・くらいかな。
フェスタで通園して以来、気温は平年並みにスルスルと寒くなって、ともちゃんも例年のごとく冬ごもりモードに突入してしまいました。昼間もウトウト眠くなることが多く、食事がゆっくりペースになります。1日の予定を時間通りにこなそうとすると、そうはできない上に、しんどくなってしまいます。でも、ともちゃんのペースで過ごしていると、表情もよく笑顔もたくさん出てきます。冬ごもりの間は通園は無理なので、職員さんに訪問して頂いています。
今年の秋は、園の職員さんの訪問や訪問看護、ホームヘルプの日にかぎって夜中の胃食道逆流やてんかんの大発作が起こることが多く、訪問をキャンセルすることも多くありました。それでも大崩れすることはなく、栄養を摂ること、眠ること、排泄することなど生活の基本を大切にユルユルと暮しています。ともちゃんが元気な時は、おうちで楽しいこともします。クリスマスツリーを飾って、今年も家族でパーティをしました。
クリスマスパーティは、計画も準備も楽しみです。今年は、ともちゃんが「仕切る」役になったので、お母さんと相談しながらパーティの詳細を決めていきました。まずはプレゼント。「プレゼントはどうする? 今年はみんながともちゃんにプレゼントをするってのはどうや?」とお母さんは役得を勧めたのですが、「ウォーン」と険しい顔で否定されました。後日、たまたまお父さんも「ともちゃんがプレゼント全部貰うことにする?」と聞いたのですが、やはり嫌な顔をしていました。
「プレゼントはあげたり、貰ったりするから楽しいんやで。」というともちゃんの意向に従い、プレゼント交換のルールを決めました。各自交換用のプレゼント包みを1つずつ用意する。プレゼント包みの中には、家族それぞれに向けた3個(もしくは自分のも含めて4個)のプレゼントを入れておく。包みには番号を付けて、ゲームの結果に応じて、それぞれの番号の包みを貰う。貰った人はその包みを開けて、中のプレゼントをそれぞれに配るというものです。
昨年はプレゼントを近くのコンビニにヘルパーさんと買いに行ったのですが、今年はネットショッピングを利用することにしました。「どんなものをプレゼントする?」とお母さんが色々尋ねたところ、ともちゃんはおしゃれ小物をおしゃれファッションサイトで買いたいようでした。色々吟味して、「これ!」と決めてカートに入れました。家族の人達も次々にプレゼントを用意して、クリスマスツリーの根元にはきれいにラッピングされたプレゼントの包みが並べてられていきました。
クリスマスパーティは、ともちゃんが昼寝をして元気に目覚めてからスタートしました。部屋の雨戸を閉めて、電灯を消して、真っ暗な部屋の中でクリスマスツリーの電飾を点灯して、クリスマスソングを歌ったら、ともちゃんはキャハキャハ大喜びです。お姉ちゃんに赤いサイリウムを持たせて貰って、振ってひとしきり盛上がりました。それまで、クリスマスソングのプロモビデオをかけて今日を楽しみに待っていたものね。
ゲーム大会はWiiパーティのMiiジャンをやりました。1年ぶりのWiiパーティに、みんな勘が鈍っていて、思わぬ失敗に悲鳴を上げながら、ワイワイ楽しみました。そして、ともちゃんが当ったのはお姉ちゃんからのプレゼント包み。開けてみると中身はバスタオルのセットでした。ネコの刺繍の入ったピンクのストライプのものは自分が貰って、色違いの紺色のはお母さんに、シンプルなベージュ色のはお父さんにあげました。
こんなふうにして、ともちゃんも他の人が当ったプレゼント包みの中から一つずつプレゼントを貰います。お母さんが当った、お父さんからのハローキティセットからはメロディが鳴らせるぬいぐるみを、お姉ちゃんが当ったお母さんからのレトルトカレーセットからは黄色のハンドタオルをそれぞれ貰いました。
ともちゃんが選んだプレゼントはお父さんに当りました。中には、トナカイ柄の赤と黒の色違いのシュシュ、ハート形の小さいポーチ、ドット柄の男物のハンカチが入っています。色違いのシュシュは、お姉ちゃんとお揃いで着けたいとともちゃんが一目で気に入って、アハハと笑って決定したものです。お父さんは、自分はハンカチを貰って、赤い方のシュシュをともちゃんにくれました。
パーティの最期はクリスマスケーキを食べます。今年はアレルゲン除去食品でのケーキは作らなかったので、ともちゃんは牛乳プリンの上に大きなイチゴをのせて貰ってケーキの代りにしました。すり鉢でイチゴをもつぶして、果汁を牛乳プリンに混ぜて食べました。
12月28日は2011年最後の通園日でしたが、ともちゃんはやはり冬ごもりモードのままなので、職員さんの訪問をお願いしました。この日の活動は年賀状作り。通園しているメンバーさんも、昨日と今日、園で作っているそうです。スタンプの柄を選び、朱肉の色を選び、和紙にスタンプを押す。スタンプを押した和紙を破いて、官製はがきに貼るという複雑な工程を頑張って、とても美しい年賀状が出来上りました。
ともちゃんは、ゾウの柄のスタンプと龍の柄のスタンプが気に入ったようで、積極的に選んでいました。園で作った年賀状は、それぞれのお家に出されるそうです。ともちゃんの年賀状も、お父さんとお姉ちゃんへの宛名で、園の方からお家に出していただくことにしました。無事に仕事納め(活動納め)を終えた夜、ともちゃんは寝室に行って一度寝たのに、突然身体をガクガク痙攣させるてんかんの大発作を起こし、悲鳴を上げて起きてしまいました。
発作が終った後もすぐには寝られず、緊張が入ったり緩んだりするように、左足をピンピン突っ張らせています。それで、ダイアップ座薬を使って寝かせました。ともちゃんは、ダイアップを使うと翌日の昼間もよく寝ます。それでなくても冬ごもりのせいで1日にするべき予定がずれ込んで遅くなり、家族が年末年始の休みのためにダラダラ遅れても気にならず、寝室に行くのが遅くなっていました。その上、ダイアップの影響で、以前は夜7時台に寝室に行っていたともちゃんの生活はかなりの夜型になってしまいました。
翌日夜9時頃にまだリビングにいるともちゃんに、お姉ちゃんが「大晦日、紅白(歌合戦)を見よと思て、夜起きてる練習してんの?」と聞くと、ともちゃんはうれしそうに「ハアーン」と返事をしていました。「それじゃ、一緒に紅白見よな!」、「アハハハハ!」、ともちゃんは大晦日、夜遅くまで起きている気満々のようでした。
さて大晦日当日、約束通りともちゃんは家族と楽しく紅白を見ていました。前半戦が終ってニュースになった9時、やはり「そろそろ寝に行かんと、しんどくなるで。」と両親に言われ、リビングのテレビは消されてともちゃんは寝室に行きました。部屋を片付けるつもりで2階に上がったお母さんが、お姉ちゃんの部屋のテレビでカウントダウンを見ていると、2012年の年が明けました。新年早々ともちゃんの様子が気になって寝室を覗きに行くと、眠っているお父さんに抱っこされて、ともちゃんは大きな目を開けてこっそりと起きていました。
もちろん元旦は朝寝坊でした。2日は、ともちゃんも白みそで薄く味を付けた大根と金時人参のお雑煮を食べて、ゆったりとお正月気分を満喫しています。ともちゃんは初詣には行かず、ずっと家で過ごします。今年も家族でWiiをしましょうか。ともちゃんが、お姉ちゃんとお父さんに出した年賀状が届くのも楽しみですね。
昨年12月、デイセンターからの訪問がある日の朝、てんかんの大発作がありました。その後すぐに40分程眠って起きてきたのですが、まだ朝食のお粥が食べられていないし、体を硬直させる発作もあったので、デイセンターに電話をかけて訪問のキャンセルを伝えました。ともちゃんは、電話に向って声を出していましたが、聞き入れられることなくキャンセルされてしまうと、シューンと一気にしょんぼりしてしまいました。
こんなことがあって以来、できるだけともちゃんの意思を尊重するようにしています。たとえ、訪問に来ていただいている間ほとんど寝ていたとしても、目が開いた時に誰かが来ていると嬉しいだろうし、活動時間が短かったとしても「今日はこんなことやった。」と満足感が残るのではないかと思っています。
1月11日(水)のデイセンターからの訪問は、毎年恒例の書初めでした。職員さんとお母さんと3人で何を書くかを決めて、「通園」、「おでかけ」、「龍」、「水やり(園でのともちゃんのお仕事)」の4枚を職員さんに手を持って貰って書きました。真剣に頑張って書き上げ、書き終った後は満足げに笑っていました。
1月13日(金)のヘルパーさんの訪問では、先日書いた書初めの台紙選びをしました。ともちゃんの家では、ともちゃんの作品を部屋の壁に飾っているのですが、そのための台紙です。ヘルパーさんとお喋りをしながら、色画用紙の中から選びました。その結果、「水やり」は青色(「水色ではない。」との意思表示あり)、積極的に決めた「龍」は緑色、でも「通園」は反応がありませんでした。後でお母さんが「通園の意味が分からなかった?」と聞くと、「ハーン!」。「H園に行くことやで。」と教えて貰って、ピンクを選びました。
1月18日(水)は「おしゃれクラブ」の活動で、100円ショップで買ったシンプルな鏡の上蓋表面にデコレーションを施しました。ともちゃんは、通園しているデイセンターのクラブ活動で「おしゃれクラブ」に属しているのです。デコレーションにはキラキラで立体的なデコシールを使いました。「一番大きいのにしようか?」と言われて、職員さんと一緒に大きな宝石の形のシールを貼ったともちゃんは、嬉しそうでした。いっぱいシールを貼って、とてもゴージャスで美しい鏡になりました。
2月1日(水)は終始しっかりと覚醒して活動しました。デイセンターからの訪問で、園芸の寄植えの鉢に挿す「個人プレート」を作りました。紙にシールを貼ったり、名前を書いたりした後、園の方でラミネート加工をして貰います。絶好調のともちゃんは、「アハハ」と笑顔で黒いクマのシールと色とりどりの香水瓶のシールを積極的に選んで、クマを取囲むように香水瓶を並べて貼って、大笑いをしていたそうです。この日は歯科衛生士さんの口腔ケアの訪問日でもあり、職員さんには口腔ケアの様子を、歯科衛生士さんには活動の様子をそれぞれ見ていただくこともできました。ともちゃんはしっかりと口を開けて、歯磨きも頑張っていました。
昼間の半分くらい寝ていたとしても、体調がはっきりと悪くない限りは、できるだけ職員さんやヘルパーさん、看護師さんの訪問を予定通り受けるようにして過ごしてきました。ともちゃんも、目覚めた時に誰か来てくれていると、それだけでも気持ちが華やいでうれしそうでした。しっかり覚醒したともちゃんは表情も豊かで、おしゃべりです。
しかし、2月後半になってから、てんかんの大発作が起こる頻度が多くなって、そういう訳にもいかなくなりました。2月18日から3月3日までの間に、全身をガクガクさせる大発作が18日、20日は2回、21日も2回、23日、26日に2回、27日、29日とあり、土曜日にお父さんの車でてんかんを診てもらっている病院を受診することにしました。
それともう一つ、てんかん発作とは別に26日(月)の夕方から、ずっと左目が充血していて気になっていました。今までも、まつげが入ったりして一時的に赤くなることがありましたが、しばらくすると自然に治りました。でも今回は、水曜日になってもずっと赤いままです。左目の下瞼の裏には、発疹や潰瘍とも見えるような(右目にはない)ものがあって、翌日に眼科を受診することに決めました。
昨年の11月から冬ごもり生活を続けていたともちゃんでしたが、こうして、図らずも木曜日、土曜日と立続けの通院になりました。もちろん、今は無理のないようにともちゃんのペースに合せているので、朝食のお粥は食べずに、しっかり朝寝をしてから出かけました。幸いどちらの日も外は春の日差しが暖かくて、道中てんかんの大発作が起こることもなく、無事に通院できました。以下は、ともちゃんの通院の様子です。
3月1日(木)は近くの病院の眼科を受診しました。急な依頼だったので、いつもの支援センターからの送迎は都合がつかず、春休みのお姉ちゃんに付添いを頼んで介護タクシーを利用しました。珍しく、大好きなお姉ちゃんとの通院だったので、ともちゃんは終始ごきげんで、楽しそうでした。待合室で名前を呼ばれると、自分も「ハアーン」とそれまでしていたおしゃべりとは明らかに違うトーンで、はっきりと返事をしていました。診察室に入って、お母さんが「宜しくお願いします。」と言うと、自分も声を出して挨拶をしていました。
さて、ともちゃんの左目ですが、前日まではあんなに赤かったのに、朝起きて来た時からすっかり元に戻っていました。下瞼の裏の異常に見えたものは脂肪なので、問題ないとのことです。また赤くなった時に差す点眼薬と、右目の目尻のただれに塗る軟膏を貰って帰りました。拍子抜けでしたが、何事もなくて良かったです。ともちゃんにとっては、うららかな春の、ちょっとした散歩気分の通院でした。
3月3日(土)は大学病院の小児神経科を受診しました。今まで飲んでいる抗てんかん薬アレビアチンの血中濃度を確認するために採血をした後、結果が出るまでの間、院内をグーンと突抜けて、駐車場近くに新しくできた院内コンビニへ行きました。広くて、車椅子でも楽に買い回りができるので、「今度通院したら寄ってみようね。」と買物好きのともちゃんと話をしていたのです。ここでキティちゃんのカイロケースを見つけてともちゃんに見せたのですが、ちょっと疲れてきたようで、あまり反応がありませんでした。
新館2階の休憩所のベンチでゆったりと横になっていると、来院した時の笑顔と元気が戻ってきました。診察の結果は、アレビアチンの濃度は適量で、新しくガバペンという薬をまずは少量から試してみることになりました。お父さんが駐車場から玄関にまわしてくれた車にともちゃんが乗込むと、お父さんが「はい! 駐車料金の小銭を作ろうと思って、買ってあげたわ。」とキティちゃんのカイロケースをくれました。ともちゃんは、「アハハ」と嬉しそうです。病院内をあちこち車椅子でウロウロ、探検気分の通院でした。新しい薬が早く効いてくれるといいですね。
3月3日の受診で、従来の抗てんかん薬アレビアチンに加えて、ガバペン300mg/日を処方されたともちゃん。てんかん発作の様子は人それぞれ違うので、効果のある抗てんかん薬も人によって異なります。先生に候補の薬を選んでもらい、実際に使ってみて、効果と副作用の様子を見ます。
てんかん発作は脳の神経の興奮をうまくコントロールできないために起こるので、発作を抑制する抗てんかん薬は、脳の神経の興奮を静める方向に働きます。それで、抗てんかん薬を飲み始めたり、量を増やしたりした時は、一般的にぼんやりして活動性が低下しがちになります。案の定、ともちゃんもガバペンを飲み出した翌日から、昼間も眠くて、笑顔もなく、表情が乏しい状態になりました。
痰も増えてきて、バリバリという呼吸音がしたり、ゼロゼロと痰が絡んだりして、吸引の回数がぐんと増えました。翌々日は明け方にも吸引が必要な程でした。けれど、問題の大発作はピタリと止みました。さらに嬉しいことに、この冬の間悩まされていた夜中の筋緊張の高まりもなくなりました。それに伴って、腹圧の高まりが軽減されたからでしょうか、夜中の胃食道逆流もうんと少なくなりました。
とはいえ、状態は日々変化して、1週間近く経つと、また大発作が起こるようになり、2週間目には以前同様の頻度に戻ってしまいました。逆に、副作用の影響は少なくなりました。痰の量は大分少なくなり、まだ昼間に眠くなってしまいますが、短時間なら笑顔でしっかりと覚醒して活動できるようになりました。筋緊張の高まりや逆流は、ガバペンを飲み始めた頃よりは増えてきていますが、悩まされるほどには至っていません。
2週間目の受診で、ガバペンの量が400mg/日に増えました。増やしてすぐは、2週間前と同じように大発作は起こらなくなり、副作用が強く出ていました。今では、大発作はほぼ1週間に1日、この1日のうちに2、3度起こり、副作用は大分減っています。筋緊張もそれ程高くなくて、困る程ではありません。とりあえず落着いている感じです。この状態が維持できれば、てんかんの大発作と付合いながら暮していけます。
そんな中、ともちゃんは発作の間を縫って、ショッピングセンターへ買物に出かけました。実はお正月のネットバーゲンで、ともちゃんはポンチョを買ったのですが、この冬は全く通園できなかったので、ずっと部屋のハンガーに掛けたままになっていました。3月も最後の日曜日になって、ようやくこのポンチョを着て、お出かけができました。
昨年の秋冬はポンチョが流行って種類もたくさん出ていたので、腕の関節が拘縮して防寒着の着脱に時間のかかるともちゃんには嬉しいことでした。お母さんは、車椅子のベルトのことをすっかり忘れていて、ともちゃんが車椅子に乗った後になって慌てましたが、ポンチョの下で何とかベルトも止められました。今回はお姉ちゃんにお鍋を買ってあげて、ともちゃんはくるくる髪を巻くカーラーを買って貰いました。短いけれど、楽しいお買物でした。
この冬はともちゃんの冬ごもりの状態がひどく、昨年11月に通園して以来、一度も通園することができないまま4月になってしまいました。2月下旬から特に悩まされていたともちゃんのてんかん大発作は、今のところアレビアチンにガバペン400mg/日を追加することで、まずまずコントロールできています。さあ、次は通園を目指したいと思いました。
冬の間は身体の活動性が低下してウトウトよく眠るともちゃんなので、マイペースでゆっくりと過ごしています。しかし毎年春になると、不思議に活動性が戻ってきて、朝は早く起きてしっかりと覚醒して、朝食のお粥も食べられるようになります。春以降も昼寝はしていますが、ちゃんと通園やお出かけなどの活動を楽しむことができるメリハリのある生活を取戻していました。
今年の冬は冬ごもりだけではなく、夜更かし朝寝坊の傾向が一段と強くなっていて、なかなか春の目覚めが訪れませんでした。少しくらい朝の調子が良くなっても、通園時間にかけてまた寝てしまうことが多く、送迎の車が来る時間に向けて段取りよく通園の準備が進むか不安でした。眠い時にちょっと頑張ろうと起こして大発作になったこともあったので、無理せずに待っていました。
4月第1週の春とは言えない寒さから一転、桜のつぼみが一気に咲き誇った第2週になると、ともちゃんも俄然元気になってきました。1週間のうち、月曜日は訪問看護、火曜日は訪問口腔ケア、水曜日はデイセンターからの訪問と活動し、木曜日はお母さんと近所の公園にお花見散歩に出かけました。暖かくなって、すっかり春爛漫。冬ごもりが終るのか心配していましたが、今年も無事にともちゃんシーズンが始動しました。
翌週の定期通院を経て、4月25日ようやくデイセンターに通園できました。おしゃれクラブでデコレーションしたTシャツを基本にコーディネイトして、訪問で作ったビーズネックレスを持って行きました。1年間の活動成果発表として、昨年度末のおしゃれクラブでは、このTシャツとビーズネックレスを着けて、ファッションショーをしたそうです。ともちゃんは参加できなかったので、冬ごもり開け最初に通園する時に着けて行きますと約束していたのです。
ともちゃんはネックレスも着けて貰って、久しぶりに会えた先輩メンバーさん達と一緒に写真を撮りました。その上、昨年度のフェスタでコーヒーやミックスジュースを販売した売上げをみんなで分けて、ボーナスとしていただけるという嬉しい出来事まであって、楽しい通園初日となりました。今年度も職員さんやメンバーさん達と、園で充実した時間が送れますように・・・
連休後半初日、今日はショッピングセンターに買物に行きました。ともちゃんは早起きして、朝から張切って朝食もスムーズに早く食べ終りました。早く出発できたので、これなら開店したところに入ることができます。このショッピングセンターに行くのは久しぶり。この近くの病院にともちゃんが毎月通っていた頃はよく行ったのですが、病院が無くなってしまったので、この方面とはずっと疎遠になっていました。
朝からとばしていたともちゃんは、出かける頃にはすっかり眠くなって、車に揺られている内に眠ってしまいました。駐車場に車を止めて車椅子を降ろすとその音で目が開いたので、車椅子に乗換えてショッピングセンターに入って行きましたが、もうしばらく車の中で、抱っこのままで寝かせてあげた方が良かったかなと、お母さんは思いました。ともちゃんにとっては、眠い眠い、でもそれでも楽しかいお出かけになりました。
いつも通り、空いている間にフードコートでミルクの注入をしましたが、お父さんに抱っこされて、ともちゃんは早速ほんわりと脳みそ休憩モードに入っていました。フードコートの横を通る人達のざわめきで覚醒すると笑顔になりますが、ともちゃんのお腹が一杯になるころには、目を閉じて寝入っていました。今度は、ともちゃんが寝たいだけ抱っこしておいてあげようとした両親でしたが、ともちゃんは周りが気になるようで、すぐに目を開けました。
お母さんの買物を先に済ませ、元気が出てきたところでともちゃんのお買物をと考えたのですが・・・。ともちゃんは、朝ご飯を食べながらお父さんと話をしていて、自分の財布にお小遣いを入れて持って行くのを楽しみにしていました。そう、先日、園でボーナスを貰いましたからね。しかし、予定していた雑貨屋さんに入っても、積極的に髪飾りを選ぶことができません。両親があれこれ説明しながら髪飾りを見せて、最終的にはお父さんが「(ともちゃんが好きな)キラキラ(のレース糸も)もピンクも入っている」シュシュを勧めて、それを買いました。
その後も、ほとんど車椅子で脳を休めていたともちゃんでしたが、車に戻ってお母さんに抱っこされると、生暖い車内の温度のためか、抱っこしてもらったためか、大きな目を開けて起きてきました。ニコニコしています。「ともちゃん、お買物したで。」、「アハハー」。「髪飾りなあ、お父さんが勧めてるので良かった?」、「アハハハ!」。「それは良かったなあ。ともちゃん、眠たかったみたいやけど、楽しかった?」、「アハハハ!」。ともちゃんは満足げにしばらく笑っていましたが、車が動き出すと、またウトウトしていました。
フワーッと眠たくて、ぼんやりしていても、周りのざわめきや両親の話しかける声が入ってきて、ともちゃんは夢うつつでお買物をしていたのかも知れません。とにかく、ともちゃんが楽しそうにしてくれたので、両親もうれしいです。帰りに立寄ったスーパーで、お母さんが買物をしている間、車の中で待っていたともちゃんは、お父さんに抱っこされて今度こそぐっすり眠っていました。
このところ日本中で盛上っている今日の金環日食。京都で金環日食が見られるのは、実に282年ぶりだそうです。ともちゃんも日食メガネをかけて、ちゃんと見ましたよ。2009年の日食の時にはメガネを買いそびれたので、今回は売切れる前に購入して、楽しみにしていました。
ともちゃんはいつも通りに早く目覚めて、ミルクの注入も順調に済ませました。天気が心配でしたが、外は運良く晴れています。そろそろ部分日食が始まる頃ですが、ともちゃんはもう少ししてから見に行きましょう。7時頃になり、お父さんが外の様子を見てきてくれました。少し風があるということでパーカーを羽織って行きました。ともちゃんは、嬉しそうにしています。
日食メガネを通して見ると、太陽は少し太い三日月のように見えます。ともちゃんも、メガネをかけて貰って太陽を見ました。メガネをかけていない時に、ともちゃんが誤って太陽を見てしまわないように、車椅子に日傘を取付けて行ったのですが、日傘のレース部分の丸い穴を通り抜けた光が、ともちゃんの顎の上や、姿勢を保持するロールに三日月形に映っていました。思いがけないところにできた部分日食のピンホール像です。
三日月の形がさらに爪のように細く鋭くなってきました。風がぐんと冷たくなって来て、ともちゃんの手も冷えています。パーカーだけでは寒そうなので、お母さんは慌てて膝掛けを取りに行きました。自分の日食メガネを覗いていたお父さんが「繋がったで!」、金環になりました。ともちゃんも、再びメガネを着けさせて貰って、日傘を上げて太陽のリングを見ました。ピンホール像がちゃんと輪っかになっているか探しましたが、細い部分がうまく映らず切れていました。
出生時に脳の広範囲にダメージを受けたともちゃんは、小さい頃に脳性の弱視であると言われました。実際、明るい暗いは分かるようですが、その他は嗅覚、聴覚、触覚などで補って認識しているようです。そんなともちゃんですが、メガネで見た日食は分かったかな。真っ暗なメガネの先に小さく見えた太陽の形は、ともちゃんにどのように見えていたのか分かりませんが、微妙に薄暗くなった空、冷たくなった風、横で説明してくれたり、感激している両親の気配も一緒に、この世紀の天体イベントを体感してくれたことでしょう。