ともちゃん の日常25


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2003年6月8日以前(ともちゃんの日常24へ)

2003年6月

22日(日)
「緑立つ道」

27日(金)
「学校の近く調べ」

2003年7月

18日(金)
「終業式の快挙」

20日(日)
「能勢くりの郷」

27日(日)
「讃岐、津田の松原」

31日(木)
「夏休みの登校日」

2003年8月

3日(日)
「琵琶湖矢橋帰帆島」

8日(金)
「大阪市立自然史博物館」

10日(日)
「宇治市植物公園」

12日(火)
「水生植物公園みずの森」

2003年8月16日以降(ともちゃんの日常26へ)


2003年6月22日(日)

先日、朝刊の折込広告の中に「緑立つ道」と題した広報紙が入っていました。国土交通省近畿地方整備局が発行したもので、第二京阪道路の巨椋池(おぐらいけ)インターチェンジと枚方東インターチェンジ間が開通したことをお知らせしていました。ちなみに、緑立つ道というのは第二京阪国道のことだそうです。ドライブ大好き「道路族」のともちゃんがこれを見逃すはずがありません。さっそく視察に出かけました。

 梅雨の曇り空の下、枚方の王仁(わに)公園に向って出発です。王仁公園は枚方東インターチェンジの近くにあるので、まずは王仁公園を散歩して、ここでミルクの注入をしてから緑立つ道に入ることにしました。久御山(くみやま)ジャンクションから京滋バイパスに入り、琵琶湖畔の瀬田東インターチェンジから名神高速道路に入って家に戻ってくるというのが、今日のお出かけコースです。

 国道1号線を王仁公園に向うともちゃんの車の中はカラオケボックスと化していました。お父さんとお母さんがMDに合せて中島みゆきの「地上の星」と「ヘッドライト・テールライト」を交互にずっと歌い続けています。歌声が好きなともちゃんは、最初はお母さんに抱っこされてにこにこして聞いていましたが、王仁公園に着くころには「オーオー」と声を出していて、一緒に歌っているようでした。

 王仁公園に着いた頃にはずいぶん雲行きが怪しくなって、今にも雨が降り出しそうでした。「とりあえず先に散歩に行こか。」と言うお父さんの声に、力強く「ハン」とともちゃんは答えます。ともちゃんはドライブ大好きですが、行先でのお散歩がないと面白くありません。ドライブで遠くまでお出かけして、いろんなところをお散歩するのが楽しいのです。ともちゃんは散歩に行く気満々です。

 王仁公園はテニスコートやプールを備えたスポーツ公園ですが、その名前の由来となっている王仁博士(応神天皇の時代に百済から来た学者で漢字を伝えたとされる)のお墓が近くにあるということです。王仁博士のお墓までお散歩しましょう。プールの横を通り、公園内の案内図を見に行ったとき、とうとう雨が降り出しました。目的のお墓は公園敷地内にはなく、少し離れた場所にあることが分りました。

 「雨が降ってきたし、しょうがないなあ。車に戻ろか。」、きっと、まだ散歩し足りないと思っているともちゃんが乗る車椅子にビニール製の雨よけシートをかぶせて、車へ戻りました。せっかくのお出かけなので、ミルクの注入も閉めきった車中でというのは、ちょっとかわいそうな気がします。「これくらいの雨やったら、上に押し開けた後部ドアを屋根にして注入できるで。」

 上に跳ね上げた後部ドアは思っていたよりもいい屋根になりました。ともちゃんはお父さんに抱っこされて屋根の下にすっぽりと納まっています。公園の駐車場に止めた車からは、すぐ下に一段低い駐車場が見渡せ、その周りは公園の緑で囲まれています。しょぼしょぼと雨は降っていますが、それがかえって木々の緑を鮮やかにしています。

 「今日はプールはお休みやのに、(パラパラと止っている)車の人達は(プール以外に)何をしに来てるんやろ。」、そんなことを話題にしながら注入をしていると、テニスの格好をした人や、釣具を持った人が次々に車に戻ってきました。そういえば、道路沿いに釣り池がありました。すぐ近くにJRの線路があり、姿は見えませんが、時々ゴウゴウと電車が走る音が響いてきます。

 ともちゃんのお腹も一杯になって、雨中のドライブ続行です。緑立つ道は新しくて綺麗な道で、その上スコーンと前後に車の姿はなく、とても快適です。高速道路の下には畑が広がり、所々その中に工場や倉庫が見えます。「ともちゃん、ここが緑立つ道、座る道(お父さん得意の言葉遊び)やで。」、ともちゃんはお母さんの膝の上で心地よいゆれを感じながら、窓の外を眺めています。ゆっくりとドライブを楽しむつもりが、緑立つ道はあっという間に終ってしまい、京滋バイパスへと入りました。しばらく走るともう瀬田東です。

 ここで高速道路を一旦降りて、名神高速道路の下り線に乗換えます。上り線は京滋バイパスからそのまま乗入れられるのですが、それでは名古屋に行ってしまいます。お昼前の下り線は渋滞もなく普通に流れています。ともちゃんにとっては、もう3度目ですっかりおなじみになった桂川パーキングエリアで、水分摂取を行いました。お父さんとお母さんは、少し早いお昼ご飯です。ともちゃんは、ここで自分のお土産として、新撰組キティちゃんの根付を買いました。

 あとは、ひたすら家に向って走るだけです。吹田ジャンクションから近畿自動車道に入り、大阪、京都、滋賀に跨る周回ドライブも1時前には無事帰着です。小雨でも快適なドライブでした。ともちゃんは、「ドライブだけではなくて、お散歩ももう少しできたらよかったのに。」と思っていたかもしれませんね。

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2003年6月27日(金)

 雨の合間を縫って、疲れないように休養を挟みながら、ともちゃんは積極的に登校しています。ともちゃんにとっては、この数ヶ月間が体調が最も落着く時期なので、今のうちにしっかりと活動して、楽しいことをたくさん経験しておきたいものです。

 ミルクの注入の前後に、短時間ですが授業にも参加しています。少し早く登校した日、ミルクの注入前に「自立・訓練」の授業に参加しました。重複障害のお友達ばかりのグループで行っている訓練で、硬縮している右の脇を伸ばし、久しぶりにうつ伏せにもなりました。注入の直後ではおう吐する危険があるので、体を動かすことはできませんが、少し早く登校できたおかげです。

 課題別学習ではスライムを触りました。こちらも重複障害のグループでの授業です。ともちゃんがミルクの注入をしている間にお友達はスライムに足つけたり、手をつけたりして、その触感を楽しんで(?)いました。昨年、スライムを触った時には、ともちゃんは嫌な顔をしていましたが、今年は平気な顔でした。

 今日、金曜日は「生活」の授業があります。他の授業が障害の状態別のグループで行われているのに対して、「生活」は学年ごとに行われています。前回の金曜日に登校した時、ともちゃんの2年生は、今は「学校の近く調べ」をやっていることを知りました。学校の近くをみんなで散歩して、お店、公共施設、バス停などで写真を撮ってもらいます。学校の近くの地図を描いて、その写真を貼っていくのです。

 前回の登校時は、学校の東側の写真を地図に貼る作業をする日でした。ともちゃんがミルクの注入をしている間に、立派な地図が右半分だけ完成していました。ともちゃんは完成した地図を見せてもらって、説明してもらいました。その時に、学校の西側の散歩に行く時はぜひ一緒に行こうねと言われていました。今日がその日です。

 途中からでも参加できたらいいのにねと言われていたのですが、ともちゃんは朝の予定を早く終えて、みんなが出発する頃に学校に到着しました。校門前での「出発の挨拶」にもちゃんと出席して、出発から学校に帰って来るまでみんなと一緒に全行程に参加できました。

 ぎらぎらと太陽が照りつける中、学校の南側の通りを通って、東方向に向かいました。Sちゃんのお兄ちゃん(養護学校の先輩でもあります)が通う作業所の前で、まずはSちゃんをはじめ女の子ばかりでパチリ。あれあれ、はりきって出かけたはずのともちゃんが、元気のない顔つきをしています。どうしたのでしょうか。

 車椅子に座ったともちゃんは、首から下をタオルケットで覆っています。さっきタクシーで学校に着いた時に蚊の攻撃がすごくて、蚊よけのためにお母さんが掛けたのでした。この太陽の下では暑くてかなわなかったのでしょう。お母さんがタオルケットを剥ぐと、笑顔がこぼれました。「これが暑かってん!」、それからのともちゃんはご機嫌で、たくさんの笑顔を見せてくれました。学校のお友達と一緒のお散歩なんて、何年ぶりのことでしょう。ともちゃんも嬉しかったに違いありません。

 今度は洋食屋さんの前で男の子ばかりで写真撮影です。このあたりは小さな町工場が立込んでいて、お母さんも行ったことがなかったので、何があるか新鮮です。歩道のない狭い道路なのに、車がしばしば通るので、そのたびに先生が子供たちの安全を確保してくれます。ともちゃんは何気ない場面でも、例えば先頭の先生が「車が来たよ。気ぃつけて。」と声をかけて、車椅子を少し道路の端っこに寄せてもらう時にも、嬉しそうにニコニコしていました。

 東の端はクラスメイトのY君のマンションです。マンションの前は、スクールバスのバス停にもなっている路線バスのバス停もあります。Y君のお母さんが覗いてくれたらいいのにねと話しながら記念撮影をして、今度は別の道(学校の北側の道)を通って学校に戻りました。暑い中の散歩だったので、少し疲れた顔のお友達もいますが、ともちゃんは元気いっぱい、大満足のようでした。校門の前で「帰着の挨拶」に参加した後、みんなと別れて、ともちゃんはミルクの注入をしに行きました。

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2003年7月18日(金)

 今日は1学期の終業式でしたが、その終業式にともちゃんは2つの快挙を成遂げました。

 1つ目は、念願であった1週間に3日間の登校をしたことです。今週は月、水と登校して、今日、金曜日も登校できました。体調が特に悪くなくても、連続して外出することが体力的に厳しいともちゃんは、隔日の登校を目標としています。けれど、通院や体調のすぐれない日、雨で登校できない日を挟むために、今までに1週間に3日登校したことはありませんでした。

 2つ目は、学校への往復ともスクールバスに乗ったことです。登校便は最寄のバス停に8時30分にやってきます。そのため、余裕を持って遅くても8時10分には家を出なくてはなりませんが、この時間までに朝の予定がなかなか終りません。下校便は通常は15時15分に学校を出発します。体力的な都合で午前中だけの登校をしているともちゃんは、一足先に下校していました。

 今日は朝の予定がとても早く終り、下校便も10時50分発の式日便(しきびびん)だったので、奇跡的に往復スクールバスを利用することができました。今朝は5時前に起きたともちゃんは、吸引をし、吸入をし、薬を飲んで、ミルクの注入の後、1時間空けてお粥ペーストを口から食べ終えてから、登校します。

 スクールバスで登校するためには、ひどく痰が絡んだり、大きな痙攣発作が起ったりということがないばかりか、ともちゃんが積極的にパクパクと口を開けてお粥を早いペースで食べてくれないといけません。ともちゃんに、早く食べることを強制すると誤燕する可能性があって危険だし、第一いやな時は強制しても口を開けません。いつもともちゃんの様子を見ながら、ともちゃんペースで食事を進めています。

 今朝はいつになくスムーズに口が開くので、「バスで行けるで。ちょっと頑張ってみよか。」と少しお粥をすくって口に運ぶ速度を速めてみました。ともちゃんは無理することなくちゃんと食べています。途中疲れることもなく、咳込むこともなく、順調に速いペースで食事が終ったので、スクールバスに乗れました。

 バスの中では朝の頑張りがこたえたようで、少し疲れて眠そうな表情をしていました。次々にバス停に止ってお友達が乗込んできても、特に興味を示すこともありませんでした。ところが、養護学校にバスが到着して学校のざわめきを聞いたとたん、目が爛々と輝きました。

 そうです。経管栄養になる前、普通にスクールバスで登校していた頃から、ともちゃんは学校に着いたときの雰囲気が好きで、目を輝かせていました。朝9時、全てのスクールバスが学校に到着すると先生全員が手分けをして、バスの座席まで子供たちを迎えに来て下さいます。そのときの先生方の「おはよう」の声、名前を呼ぶ声、注意する声、バスの先生の「いってらっしゃい」の声、お友達の歓声やおしゃべりなどの入混じったざわめきは、独特の活気を生み出しています。

 教室に入ったともちゃんは、痰が多くなって呼吸するたびにゼロゼロと音が聞こえます。朝の会の前に隣の部屋に行って痰の吸引を行いました。吸引される時に、嫌な顔をしていたともちゃんは、一緒について来てくれた3年生の先輩たちから「頑張って吸引してもらって偉かったなー。」と誉めてもらいました。

 痰もすっきりとして、ともちゃんは朝の会に出席しました。歌を歌ってから、一人ずつ名前を呼ばれて返事をします。元気なお友達は「はーい」と手を上げて返事をしています。ともちゃんの順番がきました。「まつださーん」、神妙な顔つきをして車椅子に収まっているともちゃんは、ちょっと考える間があって、おもむろにニューっと左足を高く上げました。「ともちゃん、手を上げる代わりに足上げたんか。」と先生も爆笑でした。

 みんなが終業式に出席するために体育館へ移動しました。けれど、ともちゃんは終業式には出ずにミルクを注入しに行きました。注入時間がいつもより早いのですが、下校便に乗って帰宅するために(また、帰ってからミルクの注入をしたのでは遅すぎるので)、お母さんから、先生にお願いしていたのです。

 体育館のマイクを通した声が、ミルクの注入をしている3階の教室まで聞こえています。ともちゃんもミルクの注入をしながら、校長先生のお話を聞きました。みんなが戻ってきてから、しばらくして、ともちゃんも教室に戻りました。そして、終りの会で学習の記録(通知表)を受け取りました。

 スクールバスの下校便でみんなと一緒に帰宅したのですが、さすがにともちゃんは疲れたようで、バスが発車するまでに眠ってしまいました。今日は朝早くから頑張ったのですから無理もありません。しかし10分くらい眠ると、バスの気配を感じて、にこやかに目覚めて、そのあとはずっとスクールバスの雰囲気を楽しんでいました。

 1学期の出席日数は14日。昨年の出席日数は11日だったので、少しだけ進歩です。今年は授業にも少し参加できました。毎年のことですが、ともちゃんの体調が安定すると夏休みになってしまうのは、ちょっと残念です。けれど、今日の2つの快挙は、ともちゃんの中学部2年生の1学期を締めくくるのにふさわしいものとして、とても誇らしく思います。

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2003年7月20日(日)

夏休みになってすぐの3連休は、どこも混んでいるに決っています。それが分っていても、やっぱりお出かけしたいものです。ともちゃんは朝から張切っています。お父さんととても早いペースで朝食を食べ終えました。天気も、予報では雨だと言っていますが、晴れてきました。

 最初は淡路島に行くつもりでした。しかし、近畿自動車道に入ってすぐ、電光表示とVICSカーナビで中国自動車道の池田~宝塚が渋滞していることが分りました。この渋滞のひどさは既に経験済みです。急遽行先を変更して、豊中インターで高速を下り、地道を能勢方面へと向かうことにしました。豊中インターの少し手前から、渋滞はもう始っていました。

 ともちゃんは、いつになく車の中でもずっとはしゃいでいます。出発してすぐ、しゃっくりが止まらなくなり、吹田料金所の手前で路肩に車を止め、吸引をしてしゃっくりを止めました。しゃっくりが一段落して体が楽になると、今度はお出かけしていることが嬉しくて仕方ありません。ニコニコの笑顔で「ギャハハハ、ハハハン。」と声を出して、足をピンピン突っ張っています。その姿はまさに夏休みを満喫する子供そのものです。

 能勢電鉄の川西能勢口の駅前を通り、猪名川沿いに進んで国道173号線に入り、そのまま北上しました。途中、黒い昆虫が飛んで横切りましたが、大きさといい色形といい、カブトムシだったような気がします。向っているのは173号線沿いの「道の駅 能勢」です。「道の駅」というのは一般道路沿いにある観光物産センターとレストランの集合体で、高速道路のサービスエリアのようなところです。

 笑っていたともちゃんから笑顔が消えて、首を右に曲げて硬直し始めました。よく起こる硬直発作です。しかし、それだけで終らず、全身がガクガクする発作に入ってしまいました。こういうときは丸く抱っこしていると治まります。全部で40秒ほどでともちゃんの意識は戻りました。この後、ぐっすりと眠ってダメージを回復すれば、また元気になります。

 お母さんに抱っこされたともちゃんは、ウトウトと目を閉じたり、ふーっと瞼を開けたりしていました。瞼を開けても、黒目は上の方に上がってしまって、白目になっています。道の駅に着いて、お父さんが「ともちゃん、どうや。」と声をかけた時には、ともちゃんはポカンと口を開いてクターッと眠っていました。駐車場に止めた車の中で、そのまま25分間、ともちゃんが目覚めるまで、両親もウトウトしていました。

 目覚めて復活したともちゃんを巨大なくり(のオブジェ)が出迎えます。「道の駅 能勢」は「くりの郷」という愛称がついています。きっと秋にはこの辺で栗拾いができるのでしょう。建物の前には野菜や果物を売るテントが所狭しと並んでいて、買物客でいっぱいです。ともちゃん一家のようなドライブ客というより、新鮮な野菜や果物を朝市に買いに来たという感じでした。

 レストランに入ってミルクの注入を行うことにしました。ともちゃんはレストランに入るなり、険しい顔でオーオーと大きな声を出しています。クーラーが良く効いていたので、寒かったのでしょうか。それとも、眠っている間に着いたところが、ともちゃんの思っていたところ(淡路島)と違っていたのでしょうか。

 ともちゃんは上着を着て、タオルケットを掛けてもらって、お父さんにしっかりと抱っこしてもらいました。お父さんに「能勢に来てるねんで。寝てる間に能勢に着いてんで。ほら、あそこに大きな栗がおったやろう。」と話しかけてもらって、気持ちが落着いたようです。ともちゃんはミルクの注入を行い、両親はモーニングセット(まだ早かったため、通常のメニューは無かったので)を注文しました。

 ともちゃんの注入をレストランで行い、両親が料理を食べる時は、ともちゃんの口に両親の料理が少しでも入らないように、とても注意を払っています。ともちゃんが食物アレルギーを持っているからです。今回もゆで卵がついていたので、お母さんが2人分まとめて殻をむいて、自分はパクパクッと食べてから手を洗いに行きました。お父さんはゆで卵をフォークで刺して、一口で食べてしまいました。

 レストランから見える山の斜面には「府民牧場」の看板が見えます。「あそこに牛がおるわ。そやけど、ともちゃんは動物はあかんな。」、ともちゃんは、喘息があるので、動物の毛は苦手です。そんな話をしていると、ポツリポツリと雨が降ってきました。このところ全く当っていない天気予報の言い訳のために降出したような雨です。「これは、緑立つ道のパターンやなあ。ミルクの後はお散歩なしで、ドライブして帰るだけやな。」

 物産販売コーナーをゆっくりと見て回って、ともちゃんは自分のお土産に「夢まくら」という握るといい匂いのする(ポプリの入った)ごく小さいクッションを買いました。家で、お姉ちゃんやお母さんにフワフワとしてもらって、香りを楽しんでいます。ともちゃんの好物のメロンも売っていたのですが、以前買ったのが家の冷蔵庫にまだ残っていたので、諦めました。

 車に乗るころには、雨は上がっていたのですが、痙攣発作もあったことだし、ドライブして帰ろうということになりました。ドライブのコースは国道173号線をさらに北上し、デカンショ街道を経由して、舞鶴自動車道、中国自動車道、近畿自動車道を乗継いで帰るというものです。

 173号線はくねくねの山道ではなく、山あいを通る峠道ですが、ともちゃんが車に酔わないように、進行方向に向くように抱っこし直しました。ともちゃんも山の中のドライブを楽しんでいます。デカンショ街道は京都から姫路に通じている300番台の国道で、お父さんはかつて走破したことがあります。この道は山の間の平地を縫って走っていて、両側には狭い田園風景を経てすぐ山がぽこぽこと迫っています。

 水分補給は中国道の赤松パーキングエリアで行いました。このころにはまた、カンカン照りのいい天気になっていて、東屋の中のベンチで電解液のソリタを注入をしました。こうして、夏休み最初のお出かけは無事に終了しました。ちなみに、ともちゃんのお姉ちゃんも、ともちゃんが生まれる前、海水浴に出かける電車の中ではしゃぎ過ぎて嘔吐してしまったことがありました。ともちゃんもはしゃぎすぎた結果の痙攣発作。子供やもん、こんなことって、よくあるよね。

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2003年7月27日(日)

ともちゃん一家の今年の夏のメインイベントは、四国は高松自動車道の「津田の松原」サービスエリアに讃岐うどんを食べに行く(ともちゃんはうどんは食べられませんが、家族が食べる)というものです。

 昨今の讃岐うどんブームをテレビで見ているお母さんは、以前から香川県に行って畑の中にポツンとある地元のうどん屋さんで(ネギも自分で取ってきて刻むような)セルフサービスの本格讃岐うどんを食べたいと思っていました。しかし、ともちゃんのお出かけでは、香川県まで行って、地道に降りて、うどん屋さんを探して・・・という時間はありません。それが、最近のテレビで、津田の松原サービスエリアではサービスエリアながら本格的な讃岐うどんを食べられると教えられ、飛びついた次第です。

 明石海峡大橋を目指して、ひた走りに走る車の中で、ともちゃんはボーッとして少し眠そうです。「ともちゃん、朝から頑張ったんやから、明石海峡大橋に着くまで寝とき。この道は何度も通った道やから。海が見えてから起きたらええから。」と言われますが、頑張って起きています。

 津田の松原サービスエリアまで行くと、ともちゃんのお出かけ距離の最長記録更新になるし、お出かけ距離の限界(片道200km)にもなるでしょう。ともちゃんのお出かけは帰宅時間(できれば午後2時ごろ、遅くても午後3時には帰着)で制限を受けるので、現地でのお散歩は無理で、ともちゃんがミルクの注入を終えると(家族はうどんを食べ終えると)、すぐに折返し帰路につかなければなりません。

 ドライブがメインのお出かけになってしまうのですが、今回はお姉ちゃんも一緒に行くため車の中がいつも以上に賑やかになり、ともちゃんもドライブだけのお出かけでも楽しんでくれるでしょう。車に乗込むころは、ともちゃんもニコニコの笑顔で嬉しそうでしたが、ちょっと朝のハイペースの疲れが出てきたようです。

 夏休みに入って以来、ずっと「今年は津田の松原に行こな。」と言われていて、ともちゃんも楽しみにしていました。昨日は、少し寝るのが遅かったのですが、今日がその日だという雰囲気を感じて、パクパク口を開けて積極的に朝食のお粥を食べました。おまけに朝に自力で排便まで済ませました。出発時間はともちゃんの頑張りにかかっていますが(ともちゃんの朝の予定終了時刻によっては、行先変更も、取止めもありえます)、今日は早い時間に出発できました。

 「タマネギ」(垂水ジャンクション)の少し手前から大型バイクが近くを走っていて、 トンネルに入るとその爆音がバリバリと響いていました。ともちゃんはふっと我に返ったように、キョロキョロとして、ニューッと大きく伸びをしました。「ここはタマネギのトンネル。もうすぐ、橋やで。」

 灰色の厚い雲を張詰めた東の空の下は、海も灰色です。船が通ると上がる白い波しぶきが目を引きます。西の空は気流が乱れているのか、灰色の雲が大きく渦を巻いて、そこから波のように白い雲がのぞいています。水面は鈍く灰色に光っています。「ともちゃん、ほらお船が見えるで。」でも、ともちゃんは再びボーッとして反応が鈍くなっています。

 淡路島に上陸すると、ともちゃんは目をキラキラと輝かせて、身体を突っ張って、笑いかけてきました。「淡路島に入ったら、ちゃんと元気になるなあ。偉いなあ。」、右手にハイウェイオアシスの建物が見えたので、「あそこ、前に行ったとこやんなあ。」と、お姉ちゃんに教えてあげました。津名町を過ぎ、洲本市に入り「オノコロはもう過ぎたかなあ。」と話す頃には、お姉ちゃんは眠りこけていて、ともちゃんも目は開けていますが意識は開店休業です。

 大鳴門橋を渡る時に起こされたお姉ちゃんは、橋の下の渦潮を見て感激の声をあげています。ともちゃんは「渦潮なんか、車椅子で橋の上に行って見たもーん。」とばかりに知らん顔です。四国に入ると、山間の田畑の中に人家が点在するという風景が続きますが、中国地方の田園風景に比べて山間の平地面積が少なく、山地が入組んでいるために山の際まで人家があり、人家の密度が高く見えます。

 津田の松原サービスエリアに着きました。ともちゃんは待ってましたと目を爛々とさせて、意欲的な表情になりました。「さあ、これから楽しいこといっぱいするぞ。」と輝く目と笑みをたたえた口元で訴えかけてきます。車椅子駐車スペースには先客があったので、通常の駐車スペースの端っこに車を止めました。けれども、駐車場が空いていたのと、歩道に上がるまでに全く段差の無いバリアフリーの構造のお陰で、不便を感じることはありませんでした。

 11時にもなっていないので、うどんコーナーはまだ空いています。ともちゃんのミルクの注入を開始してから、家族は順番にうどんを「作り」に行きました。うどんの入ったどんぶりを自分で取り、うどんを一度手ざるにあけて、お湯の中で振ってからどんぶりに戻します。その上に好きな具を選んで載せて、薬味(これは無料)を好きなだけ入れて、お勘定を済ませてから、汁をかけると出来上りです。

 お父さんは(お父さんはともちゃんを抱っこしているので、お姉ちゃんが注文を聞いて作ってきました)、海老とちくわとかぼちゃの天ぷらうどん(650円)。お母さんはキスとちくわとサツマイモの天ぷらうどんに、薬味として七味ではなく下ろし生姜を加えました(550円)。お姉ちゃんはキスと海老とイカの天ぷらうどんにネギ山盛りでした(600円)。

 讃岐うどんは麺が違うので、本当は具を入れないで、素うどんに薬味だけで食べるのがおいしいと聞いてはいましたが、たくさんの種類の天ぷらを前にするといくつも入れたくなってしまいます。お姉ちゃんは天ぷらを入れてしまってから、レジの前の温泉卵を見つけ、これを入れればよかったと卵に未練たっぷりです。具がたくさん入っていても、やはり麺の違いはわかります。シコシコしてとてもおいしいので、みんな大満足、お土産にも半生うどんを買いました。

 「ともちゃんはうどんは食べられへんから残念やなあ。でも、お土産買おな。讃岐うどんキティちゃん、あるかなあ。」、先にお土産売場を偵察に行っていたお姉ちゃんが、「うどんキティあったで。タマネギキティは箱やったけど、讃岐うどんキティはどんぶりに入ってるねんで。」と興奮して戻ってきました。

 お土産売場には、四国四県のご当地キティ(うどんキティ、すだちキティ、坊ちゃんキティ、よさこいキティ、阿波踊りキティ、鰹キティ、鯨キティ)と、四国のお遍路さんキティがいました。ともちゃんは、誕生日プレゼントとして、どんぶり入りの讃岐うどんキティのぬいぐるみを買ってもらい、さらにお土産にうどんキティのタオルとファスナーマスコットを買いました。

 さあ、折返しです。車に乗込むともちゃんに「朝から頑張ってんねんから、ソリタ(水分補給)で止まるまで、眠っときや。」というと、ともちゃんはニッと空元気笑顔で答えました。でも、笑顔が出たのは顔の右半分だけでしたから、本当は眠くてヨレヨレなのでしょう。

 次の出口から出て、一つ手前の高速の入口まで、津田の松原の松林と平行して地道を走りました。時間があれば、この松林で潮風に当り、海を見ながらミルクの注入あるいはお散歩というのもよかったでしょう。ともちゃんはボーッと休養中でした。でも、ぐっすりとは眠りません。何か楽しそうなことがあったら、すぐに起きて、参加しなくっちゃと思っているようです。

 水分補給は淡路島南パーキングエリアで行いました。ここは歩道との間に段差があったのですが、車椅子駐車スペースが開いていたので、その後ろのスロープから楽に歩道に上りました。パーキングエリアの建物には屋上展望台があったのですが、階段でしか上れないので、諦めてスナックコーナーでソリタの注入を行いました。

 ここでも、お姉ちゃんがお土産コーナーを先行偵察。「ともちゃんの好物のなると金時キティがいたで。しかもタマネギキティみたいに箱に入ってるで。」、淡路島タマネギキティに続いて、ともちゃんの好物キティシリーズとして、なると金時キティのタオルと根付も買いました(ここには、ぬいぐるみはありませんでした)。

 ここからは、お父さん一人の頑張りです。おやつも食べてお腹が一杯になったお姉ちゃんはぐっすり、お母さんがウトウト眠る中を、お父さんは眠気防止のブラックガムを噛みながら、家に向って車を走らせました。帰りは山陽道ではなく、第二神明、阪神高速を通りました。この間ともちゃんはずっとボーッとして休養していました。

 家には3時きっかりに帰り着きました。ドアを開けて、車椅子ごと玄関に入ると、ともちゃんはパァーッと笑顔になって、「おうちに帰ってきたんだ。」、お出かけも大好きだけど、おうちに帰ってきてホッと落着く気持ちも分ります。ともちゃんは楽しかったお出かけの話をしながら、いつもより遅いお昼ご飯のお粥を食べました。

 翌日(28日)、お母さんはこの文章を右手で打ちながら、左腕の中に抱っこされているともちゃんに話しかけています。「昨日は朝すごく頑張って、ちょっとしんどかったのに、ぜんぜん寝えへんかったやろ。おもしろいことあったときに、寝てたら損やと思てたやろ。」というお母さんに、ともちゃんは「ハハーン。」と照れ笑い。「また行こな。」、にこにこ笑って「アハハハハン。」

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2003年7月31日(木)

 ともちゃんの養護学校では、夏休みに入ってからも、7月一杯は登校日があります。高等部と小・中学部が交互に登校日を設けています。先週は、残念ながら雨と通院のために欠席しましたが、今週は2日とも登校できました。

 29日はプールでした。スクールバスでは登校できなかったものの、比較的早くに登校できたので、みんなと一緒にプールサイドに行きました。ともちゃんは10時30分からミルクの注入があるので、水着を着てゆっくりとプールに入ることはできませんが、友達の歓声を聞きながら、足を水につけてプールの気分を楽しみました。

 みんなが準備体操をしている中、ともちゃんも車椅子に座って、先生に手を動かしてもらっています。座位がとれるY君が学校のプール用の車椅子に乗り換えて、シャワーを浴びていますが、曇り空なので寒そうに感じます。元気なお友達も順番にシャワーを浴びて、プールに入りました。ともちゃんは、水しぶきがかからないように少し後ろに下がって見学です。

 元気なSちゃんたちは気持ちよさそうに水の感触を楽しんでいますが、やっぱり重複障害のお友達はみんな寒そうです。先生が大きなプールの水に触れて温度を確認してくれましたが、今日は水が冷たいので、ともちゃんはプールサイドに置かれている小さな簡易プールのお湯に足を浸けることになりました。

 右足の指にはパルスオキシメータのセンサを粘着テープで取付けているので(帰宅してすぐにパルスオキシメータ本体とつないでモニターできるように)、左足だけをお湯に浸けました。ちょうど気持ちのいい温度です。今度は曇り空が幸いして、日差しが厳しいこともなく、屋上プールを吹き抜ける風は心地よく、お湯に浸している足は温かくて、極楽です。ともちゃんは脱力してホーッとしています。

 ともちゃんがジョウロで足にお湯をかけてもらっていると、大きいプールで身体の冷えた重複障害のお友達がお湯につかりに来ました。もうしばらく一緒に入っていたいところですが、ともちゃんはミルクの注入の時間になりました。みんなより、一足先に上がりました。

 登校日は、スクールバスの下校便が11時50分に出発するので、帰りはバスで帰ります。プールでちょっと疲れていたともちゃんは、眠って帰ろうかなと思ったようですが、バスの中のにぎやかな雰囲気にやっぱり寝てはいられないよと、キョロキョロしています。

 バスの中では、バスの先生(添乗員さん)が、捕えた蝉をビニール袋(息は出来るようにしてある)に入れて持っていました。小学部のお友達が蝉の入った袋を手に取って、蝉が鳴いているのを見ています。ともちゃんもこんな近くで鳴く蝉の声が気になってきました。バスの先生が「ともちゃんにも蝉を見せてあげよ。」と目の前に持ってきてくれました。

 ともちゃんは、ちょっとびっくりしたような、でも何だろうと緊張した面持ちで、五感を研ぎ澄ましているように見えます。ともちゃんは脳性の弱視だと言われているので、視覚的にはどこまで蝉を認識できたかわかりませんが、しばらくすると落着いて、今度は蝉に負けない大きな声でオーオーオーと言い出しました。

 「蝉と競争してんのん、大きい声出して。ともちゃんの方が蝉に勝ってるわ。」とお母さんが話しかけると、声を出すことを止めて、ニコニコと笑いかけてきました。そのあとは、ずっとご機嫌で、好奇心いっぱいの輝く目をして、スクールバス下校の様子を感じ取っていました。

 今日31日の登校日はパターゴルフ大会でした。一昨日から、ともちゃんには「パターゴルフをやろうね。」と話しかけて、楽しみにしていたのですが、今朝は朝食が進まず、ゴルフ大会が始まるまでに登校することができませんでした。それどころか、スクールバスでみんなと一緒に下校をするのなら、登校して少ししたら、ミルクの注入を始めないといけません。

 ともちゃんが登校した時、先生が「(教室がある)3階に上がるとびっくりしますよ。2年生の教室も廊下もみんなグリーンの布を敷き詰めて、ゴルフコースになっています。」とおっしゃっていました。3階のエレベータのドアが開いて、本当に驚きました。立派な9ホールのゴルフコースが出来上がっています。グリーンの布に穴が開けてあり、微妙に傾斜が作ってあって、ピンポン球をボールにして穴に入れるようにパターで打つのです。

 中学部全員が3つのチームに分かれて、順番にコースを回っていたのですが、ともちゃんが登校したのを見つけて、Sちゃんが来てくれました。Sちゃんの笑顔と声かけにともちゃんも笑顔で答えてから、しばらくの間はSちゃんと友達や先生の歓声を聞き、ボールを打ったり、次のコースへ移動する友達の動きを感じて、華やいだ表情で楽しそうにしていました。

 ミルクの注入の時間が迫ってきたので、みんなと別れて、グリーンの上を車椅子で通って、注入をするためにゴルフ場にはなっていない教室に入った途端、ともちゃんの表情が曇りました。「えっ、なんで、ゴルフせえへんの。みんなと一緒にやりたい。」と言わんばかりでした。けれども、こればかりは仕方がありません。

 その明らかな表情の変化に、先生も、看護師さんも、お母さんも感心しました。先生からは「生活の時間にできるかもしれんから、その時には一緒にやろうね。」と慰めてもらい、お母さんからは「元気にしていて、早く学校に行けたら、また、みんなと楽しいことが一杯できるやんか。今日はミルク飲もな。」と励まされ、ともちゃんは穏やかな笑顔に戻って、ざわめきを聞きながら、ミルクを飲んでいました。

 スクールバスに乗る直前、先生と看護師さんから「ともちゃん、次は8月29日の登校日やね。それまで、元気でね。」と言ってもらった時、ともちゃんはちょっと寂しそうな表情を見せていました。大好きな学校もいよいよ本格的に夏休み。この間は、おうちでこっちもまた大好きなお出かけをいっぱいして、楽しく過ごそうね。そして、2学期にはまた元気に登校しましょう。

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2003年8月3日(日)

「滋賀県のご当地キティは何やろ。」というのが、琵琶湖を目指す車の中での話題です。「滋賀県の名物って何や。」というお母さんの問いに、「そら琵琶湖の源五郎鮒やろ。」というのがお父さんの答。そんなやり取りに、ともちゃんも「ハハアーン、ハハン。」とニコニコして、足をピンピン突っ張って加わっています。

 今日のともちゃんは声を出して何度も笑いかけてきたり、足を動かしたりと、ずっと元気にはしゃいでいました。近場のお出かけだったので、出発時間に急かされることもなく、ともちゃんのペースで朝を過したので、ゆっくりとお出かけの楽しさを感じることができたのでしょうか。

 今日は緑立つ道(第二京阪道路)、京滋バイパスを通って琵琶湖東岸の「さざなみ街道」をドライブします。さざなみ街道沿いには何カ所か琵琶湖に面した駐車場があるので、そこに車を止めて、琵琶湖を見ながらミルクの注入をしようというのが、お父さんの提案です。

 枚方東インターチェンジから、竹林を切開いた真新しい3車線の緑立つ道に入り、長いトンネルのある京滋バイパスを石山インターチェンジで下りるまで、ともちゃんのMPVは笑顔と軽快なおしゃべりを乗せて快適な走行を続けました。石山で下りてからは瀬田川の西岸を走ります。

 瀬田川岸には釣船が着けてあったり、川魚料理屋さんがあったりして、早くも琵琶湖の雰囲気です。石山寺を過ぎ、京阪電鉄の石山寺駅が現れると、観光地にやってきたような気分で浮かれます。瀬田の唐橋を渡ると、今度は左手に瀬田川が続きます。川岸にはいくつものテントが立てられて、人が集まっています。ボート競技の大会が開催されているようです。

 道路沿いに、ここから「瀬田川」から「琵琶湖」に変るという表示板がありました。すでに、岸辺の道を走っていましたが、ここから名実ともに琵琶湖湖岸道路となります。琵琶湖にもいくつものボートや釣船が出ていています。湖水のスポーツや遊びには無縁のともちゃん一家ですが、この土地の人にとってはごく身近な行事なのでしょう。

 湖岸道路は橋を渡って、矢橋帰帆島へと入りました。後で調べて分ったことなのですが、ここは昔、大津港への近道として利用された矢橋港があったところです。浮世絵師の安藤広重によって近江八景の一つ「矢橋の帰帆」として描かれており、その名残りである石垣突堤や常夜灯が残っています。

 その地に下水処理施設として作られた人口島が矢橋帰帆島です。下水処理施設のほかに野球場、テニスコートや大型遊具のある子供の広場などが整えられて、島全体が矢橋帰帆島公園となっているそうです。ともちゃんは、島に入ってすぐの駐車場に車を止めたので、島の中の施設については何も気付きませんでした。

 湖に車体後部が面するように車を止めました。エンジンを止めて後部ドアを開けると、むわっとした真夏の空気が流れ込んできます。いつも通り、後部座席を後ろ向きにセットして、ともちゃんを抱っこしたお父さんが座席に座りました。ミルクを入れた袋(イルリガートル)を後部ドアの取っ手に吊し、お父さんもともちゃんも湖を眺めながらミルクの注入です。

 ジリジリと太陽が照付けていて、後部ドアで日陰を作っていても、ともちゃんの髪の間からは汗の粒が噴出し、お父さんの額からは汗が流れ落ちます。そんな暑さの中でも、湖面と湖面を行く船、対岸の建物やその後ろに広がる比叡山や比良山を眺めていると、ほっと心が安らいでいきます。時折吹く風がともちゃんの逆立っている髪を揺らして行きます。ともちゃんも「夏」の暑さと心地よさを感じていることでしょう。

 注入が終って、湖畔を散歩するころには、もくもくとした白くて厚い夏の雲が太陽を覆ってくれました。いつものともちゃんの身体のカーブに合せて作ったシーティングは修理に出しているので、今日は背もたれが平面の車椅子です。側湾が進んだともちゃんは車椅子の中でくにゅっと右に傾いて、小さく丸まっていましたが、車椅子を動かしてもらうとニコニコ笑って、楽しさを全身で表していました。

 帰りの車の中、ともちゃんはさっそくウトウトしかけています。水分補給は大津サービスエリアで行おうとしましたが、車椅子駐車スペースも含めて、駐車場が満車だったので、諦めました。次のチャンスはおなじみの桂川サービスエリアです。しかし、ともちゃんはここに着くまでにクタッと眠りこけてしまいました。

 水分補給はパスして、家路を急ぎます。結局、ともちゃんが目を覚ましたのは、もう家の近くに戻ってからでした。ともちゃんは「あれあれ、もうおうちに着いたん。」という表情でキョロキョロしていました。

 ところで、滋賀県のご当地キティちゃんはいったい何だったのでしょう。どこにもサービスエリアには立寄らなかったので、結局分らないままです。この謎は、次回の滋賀方面のお出かけの楽しみに取っておきましょう。

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2003年8月8日(金)

ともちゃんにとっても、お母さんにとっても、一年で一番楽しい10日間がやってきました。お父さんの夏休みです。ずっと前から、どこにお出かけしようか、あれやこれや楽しい計画を立てているというのに、初日から台風10号が日本に近付いています。

 「近くの博物館や美術館やったら、雨が降っても行けるやんな。駐車場も屋根があるか聞いておこな。」、昨日、天気予報を聞いて天気を気にしていたともちゃんとお母さんは、雨が降ってもお出かけできるところを調べました。ともちゃんは、「なぁん、なーん」と甘えた声を出して、さかんにお話していました。「雨でも、どっか連れて行ってや。」とお願いしているようでした。

 昨日の調査の成果は、長居公園内にある自然史博物館です。今朝も、ともちゃんは、さかんにお父さんの姿を追って首を動かしていました。ともちゃんは脳性の弱視なので、本来追視をすることは苦手ですが、この頃は対象物の方を的確に向くことが多くなっています。家を出た後、お母さんが忘れ物を取りに戻って、マンション玄関の大きな鏡の前でお父さんと待っている間も、本物のお父さんと鏡に映ったお父さんを交互にキョロキョロと見比べていました。

 車の中でも、ともちゃんは嬉しくて仕方がありません。声を出して「きゃはは、ははは」とよく笑っています。昨夜は大雨、今朝は雲間から日が射したり、小雨が降ったりと、台風特有の不安定な天候ですが、全然平気です。問題は雨天であることではなくて阪神高速の渋滞なのですが、それもなんとか通り抜けて、長居公園の駐車場に到着しました。

 雨の止んでいるうちに博物館まで急ごうとしたのですが、途中でパラパラときたので、急遽車椅子に屋根をつけて雨よけのビニールカバーですっぽりと覆いました。そうしているうちに、雨が上がったので、蒸れないようにビニールカバーの前面と左右面の角にあるファスナーを全開にして、全面と側面のビニールを屋根の上に捲り上げて行きました。そうすると、それがまたおかしかったのが、ぎゃははは笑っています。

 博物館の入口は分りにくかったのですが、長居植物園内の「花と緑と自然の情報センター」の中にありました。渋滞で時間を取られていたので、まずはセンター内の喫茶店でミルクの注入を行いました。博物館のチケットは植物園と共通なので、帰りに喫茶店から見えていた蓮池にも行ってみましょう。

 博物館に入ると大きなナウマンゾウとヘラジカがお出迎え。展示室を順番に回りました。最初の部屋は大阪の自然の様子が展示されていました。お母さんは虫(特に蛾)が嫌いなくせに、動かない、ガラスの中からは出ない標本と思うと、「ともちゃん虫見てみよう。」と怖いもの見たさで覗き込んでいます。

 次の部屋には恐竜の骨がいっぱいです。「いろんな恐竜おるな。あんな恐竜来たら怖いなあ。」、「ほら、ぐるぐる渦巻きの貝、アンモナイト言うねんで。」、2階に上がるエレベータの中では、お母さんの押したスタンプが枠からはみ出ていることを見せてもらって、また大笑いのともちゃん。

 3番目の部屋の天井には大きな鯨の骨が吊下げられていました。ともちゃんが生まれる前、お姉ちゃんは鳥羽水族館の鯨の骨の展示が怖くて泣いていましたが、ともちゃんは平気です。ここには人間の骨の模型も展示されているのですが、「ともちゃんはホネホネよう知ってるやんな。この前リハビリ行った時に骨(の模型)見つけたやんな。」

 最後の部屋では野菜の原産地が展示されていました。ともちゃんの好物のメロンの原産地はなんとアフリカでした。帰りに植物園に寄ろうとしましたが、土砂降りの雨です。諦めて、センター内に戻り、センター内の展示を見てお土産屋さんに行きました。駐車場までは車椅子にビニールカバーをきちっとかけて動く温室状態で、ザンザンと雨が降る中を戻りました。

 ビニールカバーの上にも水が溜まる位の勢いの雨ですが、完全防水の中のともちゃんは大喜びで、久しぶりの雨のお散歩にはしゃいでいました。後部ドアを上に跳ね上げて雨よけ屋根にして、後部から車に乗込みました。車の中で水分補給をしてから、帰路に着きました。

 車の中ではお母さんがMDに合せて歌を歌っていました。お母さんの歌声につられて、ともちゃんも今回は大きな声ではなくて、歌うように穏やかに「おーーーおーー」と声を出しています。お母さんがともちゃんを見つめて歌うと、ともちゃんもそれに答えるように笑顔を浮かべてお母さんを見つめ返して声を出していました。

 家に戻って、ともちゃんのお土産の花模様のキーホルダーと一緒に買った蜜リンゴ(乾燥リンゴの砂糖漬け)を家族が食べていると、ともちゃんも欲しそうです。いつもなら、欲しくても食物アレルギーがあって食べられないのですが、蜜リンゴは大丈夫。唇につけてもらって、嬉しそうになめて味わっていました。

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2003年8月10日(日)

今日のお出かけは、前回の長居植物園との植物園つながりで、宇治市植物公園です。地道を走って、緑立つ道の近くから京奈和自動車道に少しだけ乗って城陽で下り、太陽が丘運動公園を目指して再び地道を行きました。

 ともちゃんはごきげんで、左足で車の後部座席のドアをどんどんと蹴っています。「こら誰や、ドアを蹴ってんのんは。お父ちゃんには分ってるで。」と言われても、ともちゃんはケラケラ笑っています。お母さんが横抱きに抱っこしているのですが、身長が伸びて足の長くなったともちゃんは、足を突っ張るとドアに当たるようになりました。

 山の中の竹やぶを切開いて造成したのでしょうか、新興住宅地や学校が並ぶ前に植物園はありました。駐車場は植物園と道路を挟んで反対の山側にあり、道路から少し上って駐車場に入ります。車椅子駐車スペースに車を停め、その横のスロープを上がると、道路を越えるための陸橋があります。橋の上は色とりどりのフラワーポットが並べられていて、ここからすでに植物園のようです。陸橋の上からは、遥かに宇治の街並が望めました。

 橋を渡ると植物園の入口があるのですが、入口は植物園の管理棟の2階になっていて、まずはエレベータで1階に下りなければなりません。1階は広くて涼しい休憩所になっていて、ミルクの注入場所にちょうどよさそうです。植物園の様子を見ようとさらに進むと、いきなり温室の中に入ってしまいました。

 熱帯の大きな花が咲く一方通行の狭い通路はくねくねと曲っていて、そんなに広くない温室の中を迷路のように進みます。ともちゃんは目の前に現れるジャングルをホーッと眺めていますが、ミルクの注入時間が気になるお父さんとお母さんはやや急ぎ足で車椅子を進めます。

 温室を出ると植物園の遊歩道に出ましたが、屋外からも先ほどの休憩所に戻れることが分りました。休憩所には、自販機、カフェ風のテーブルと椅子、使われていないカウンター(繁忙期には喫茶店になるのかも)があります。最初はこの広いスペースにともちゃん一家だけだったので、陣取ったテーブルにミルク注入セットを大胆に並べ、広々と使いました。

 園内はそれほど広くないのですが、起伏に富み、ともちゃんのお散歩にはちょうどいいサイズでした。ともちゃんの散歩は園の右側の広葉樹の山道から始めました。山道をぐるりと回りながら、人工の小川を渡り、すり鉢状の敷地の底になっている池(花の広場)に向って下っていきます。水辺を求めて、緑の中を下るのは、今の季節には気持ちのいいものです。

 花の広場は、池の後ろにある壁が「花と水のタペストリー」になっています。46段の壮大なひな壇に色とりどりの草花を植えた3600基以上のプランターが並べられ、その季節に合った大きな壁画になっているのです。今はピッチャーとバッターが描かれていて、高校野球を表現していました。

 壁画のひな壇の下には水のカーテンができていて、細い水の筋が何本も下の池に注いでいます。水のカーテンの後ろには通路があり、池に架かる橋を渡って行くことができます。しかし、橋は長方形の板を組合せたジグザグに曲ったもので、橋の縁には欄干も落下防止の段差もありません。

 「水のカーテンの後ろに行ったら面白そうやけど、この橋は怖くて、車椅子ではよう渡らんわ。」と言う心配性のお母さんに対して、「こんだけの幅があったら、大丈夫やで。」と言いながら、お父さんは慎重にともちゃんの車椅子を押して橋を渡りました。幾筋もの細い流水ごしに植物園の風景を見るととても涼しげですが、ともちゃんはちょっと疲れてきたのか反応が鈍いようです。

 水のカーテンは真ん中で途切れていて、そこから池の中央に向って橋が伸びています。ともちゃんも池の中央まで行って、そこから「タペストリー」を眺めました。写真撮影をする時、ともちゃんは暑さと眠さで車椅子の肘掛に両腕をだらりとのせて、車椅子に身体を沈み込ませ、目を細めてウトウトていました。好奇心旺盛で、車椅子では決して眠らないともちゃんにしては珍しいことです。と思った瞬間、はっと目覚めてギャハハハハと大笑いしました。

 後半は花の咲く道を登り、管理棟まで戻ります。ともちゃんは池の中央の島で一瞬ウトッとした後は、すこぶる元気です。しっかり覚醒して、ご機嫌です。右手に新たに現れた修景池を眺めながら坂道を行くと、花で菊人形のように立体的に作られたウサギさんが迎えてくれました。小振りだけど色とりどりのバラが咲くバラ園を通って、さあ(車椅子を押すお父さんは)もうひと頑張り。さらに登って、管理棟前に到着です。

 修景池の向う側と「タペストリー」の上の見晴台へは上がりませんでしたが、園内をほぼ一周しました。ともちゃんも、車椅子を押していたお父さんも、にぎやかに横を歩いていたお母さんも、暑かったけれど満足なお散歩でした。気持ちのいい汗をかいたという感じです。

 帰りも、行きと同じ京奈和自動車道を通りました。この道はいつも空いています(お父さんは「絶対に渋滞せえへん道や。」と太鼓判を押しています)。出口の田辺西インターチェンジは料金所も無人で、自動販売機のような機械にお金を入れる自動ゲートです。ともちゃんはいつも高速道路料金の障害者割引を受けており、無人の料金所ではどうするのか、行きに最初に通った時は戸惑いました。実はインターホンで障害者であることを告げて、投入口に割引チケットを入れると、割引料金が表示されるのです。帰りは、このことが分っていたので、もう慌てることはありません。

 京奈和自動車道を通ってお盆前の渋滞も回避できたと思っていましたが、帰りの地道は予想以上に混雑していました。お父さんは国道を通らずに、空いていそうな道を選びましたが、それでも渋滞している交差点に引っかかり、家に戻った時は2時を過ぎていました。

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2003年8月12日(火)

お父さんの夏休み第三弾、またまた植物園つながりで、今日は草津市立水生植物公園「みずの森」に出かけました。第二京阪道路と交わる久御山ジャンクションから、名神高速道路と交わる大山崎ジャンクションまで、京滋バイパスの延伸区間が8月10日に開通したので、ここを通ってみることにします。京滋バイパスというのは、元々は国道1号線のバイパスだったのですが、新たに延伸されたことで名神高速のバイパスになりました。

 ともちゃんの琵琶湖方面へのお出かけは、いつも名神高速を利用していたのですが、京都南インターチェンジ付近で渋滞するので困っていました。京滋バイパスの延伸区間がいつ開通するのか、お父さんは心待ちにしていたのですが、8月3日のお出かけで第二京阪道路を通った時に、「8月10日15時開通」という案内掲示を見つけていました。今日はその視察も兼ねています。

 ともちゃんは朝いつもより痰が多く、何度も吸引をして何とかすっきりしました。おまけに、お出かけの準備万端、さあこれから出発という時に、いつもの硬直発作よりは少しだけ大きい発作を起こしました。出鼻をくじかれた両親は、お出かけするかどうか迷いましたが、いつも以上に慎重に、ちょっとでもともちゃんに不調の兆しが見えたら引返すということにして、出発しました。

 ともちゃんは、お出かけが取止めになるかどうか心配していたのでしょうか。車椅子で車のところまで来て乗込む段になると、安心したのかうれしそうにニコニコしていました。「ここらへんは知ってる道やから、今のうちに寝とき。」と言われて、ともちゃんは本当に眠り、起きてきたのは、大山崎ジャンクションから京滋バイパスに入り、最初の久御山淀インターチェンジに差掛かったころでした。

 名神も大山崎ジャンクションまでなら全くの渋滞なしです。新しい道はもちろんきれいで、空いていてとても快適です。電光掲示の渋滞情報では京都南で渋滞との表示があったのですが、「こっちに迂回すれば渋滞は避けられるのに、なんでみんな京滋バイパスを通らへんのかな。まだ、どうつながっているのか知らんのかな。」と余裕で話していました。

 みずの森の駐車場は琵琶湖博物館の駐車場の奥にありました。最初はそれが分らずに通過ぎたので、みずの森のハスの群生地をちょうど反対側から通りすがりに眺めることができました。群生地の広さは圧巻でした。今はハスの花の見ごろでもあるので、たくさんの人がみずの森を訪れています。

 降ったり、止んだりしている雨が心配なので、とりあえずミルクの注入を行うためにロータス館に入りました。受付の方に許可をもらって、エントランスホールの椅子で注入しました。ともちゃんの横には綿の実で作った羊が展示されています。今回のお出かけから、注入用イルリガートルをかけるポール(車椅子にセットして使います)を忘れずに持って行ったので、お父さんがずっと手を上げてイルリガートルを持っていなくても良くなりました。

 注入している間にホールに展示されたスイレンの写真を見て、様々な色の花があることが分ったのですが、実際にアトリウム(鑑賞温室)で青色のスイレンを見たのは感激でした。アトリウムのテラスに出ようとしましたが、雨が激しく降っていたので諦めました。琵琶湖のハスはアトリウムの中から眺めます。

 常設展示ではハスにまつわる歴史的な美術品の展示があるのですが、展示室に入ったとたん、ともちゃんがギャハハハと笑いました。アトリウムの自然の採光の状態と、暗い室内にスポット照明された展示室の違いを感じたのでしょうか。それとも、「私も(ハスにまつわる歴史的な美術品を)1個欲しいわ。」とでも思ったのでしょうか。

 順路に従って行くと、屋根のあるテラスに出ました。天気が良ければ、ここから湿生花園の中の遊歩道を散歩できたのにと思うと残念です。「写真を撮ったら、お土産屋さんに行こか。」とお父さんに言われ、アーと声を出してニコニコするともちゃん。お買物も大好きです。

 ロータス館のお土産屋さんに、8月3日のお出かけで話題になった琵琶湖キティちゃんがいました。今日はドライブコースの都合上、サービスエリアにはどこも立寄れないとお父さんに言われていたので、前回から持越していた滋賀県キティちゃんとの対面は今回もお預けかなと思っていました。やはり、ともちゃんは強運の持主です。琵琶湖キティちゃんは、なまずの被り物をしたキティちゃんでした。

 ともちゃんはぬいぐるみとハンドタオルを買ってもらいました。その他にも、琵琶湖の形の金属性の渋いキーホルダー(裏には滋賀県の面積や人口などが書かれていて面白い)も買いました。ともちゃんのお土産コレクションの中には渋いキーホルダーシリーズというのもあって、家でお母さんと並べて、眺めて遊んでいます。

 帰りの道は、京滋バイパスから第二京阪道路に入るコースを取りました。名神高速下り線が大山崎ジャンクションから渋滞していると、電光掲示とカーナビのVICSに表示されたためです。しかし、第二京阪道路を選んで正解だったと喜んだのも、高速を下りるまでのことでした。

 枚方東出口を出てからの地道は、明日からお盆ということもあり、一昨日の宇治からの帰り道以上に込んでいて、全く動かないところもありました。良い子のともちゃんは、帰り道も昼寝をして、そのお陰で元気に目覚め、渋滞の間もお母さんに抱っこされて、両親の掛け合いを機嫌よく聞いていました。時々「ともちゃんもそう思うやんなー。」などと急に話を振られて、エヘヘと笑っていました。

 地道が混んでいたために、帰りは3時を少し回ってしまいました。けれども、名神高速の大山崎ジャンクションから京滋バイパスに入って、京都南の渋滞を迂回するという方法は、通常の休日にはとても有効です。これから、ともちゃんが琵琶湖攻めをする時のお気に入りのコースとなることでしょう。

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