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4日(月)
「ガイドヘルプで四条河原町」
25日(水)
「23歳の誕生日」
15日(水)
「京都御苑で大文字」
17日(金)
「キラキラ金閣寺」
このところ日本中で盛上っている今日の金環日食。京都で金環日食が見られるのは、実に282年ぶりだそうです。ともちゃんも日食メガネをかけて、ちゃんと見ましたよ。2009年の日食の時にはメガネを買いそびれたので、今回は売切れる前に購入して、楽しみにしていました。
ともちゃんはいつも通りに早く目覚めて、ミルクの注入も順調に済ませました。天気が心配でしたが、外は運良く晴れています。そろそろ部分日食が始まる頃ですが、ともちゃんはもう少ししてから見に行きましょう。7時頃になり、お父さんが外の様子を見てきてくれました。少し風があるということでパーカーを羽織って行きました。ともちゃんは、嬉しそうにしています。
日食メガネを通して見ると、太陽は少し太い三日月のように見えます。ともちゃんも、メガネをかけて貰って太陽を見ました。メガネをかけていない時に、ともちゃんが誤って太陽を見てしまわないように、車椅子に日傘を取付けて行ったのですが、日傘のレース部分の丸い穴を通り抜けた光が、ともちゃんの顎の上や、姿勢を保持するロールに三日月形に映っていました。思いがけないところにできた部分日食のピンホール像です。
三日月の形がさらに爪のように細く鋭くなってきました。風がぐんと冷たくなって来て、ともちゃんの手も冷えています。パーカーだけでは寒そうなので、お母さんは慌てて膝掛けを取りに行きました。自分の日食メガネを覗いていたお父さんが「繋がったで!」、金環になりました。ともちゃんも、再びメガネを着けさせて貰って、日傘を上げて太陽のリングを見ました。ピンホール像がちゃんと輪っかになっているか探しましたが、細い部分がうまく映らず切れていました。
出生時に脳の広範囲にダメージを受けたともちゃんは、小さい頃に脳性の弱視であると言われました。実際、明るい暗いは分かるようですが、その他は嗅覚、聴覚、触覚などで補って認識しているようです。そんなともちゃんですが、メガネで見た日食は分かったかな。真っ暗なメガネの先に小さく見えた太陽の形は、ともちゃんにどのように見えていたのか分かりませんが、微妙に薄暗くなった空、冷たくなった風、横で説明してくれたり、感激している両親の気配も一緒に、この世紀の天体イベントを体感してくれたことでしょう。
ともちゃんのお父さんが、今日退院してきました。鼠径ヘルニアの手術をしたのです。手術の前には家族への説明があり、手術当日も家族の付添いが必要となります。いつもは自分が病人の立場のともちゃんでしたが、今回は患者の家族として説明を聞きに行って、手術の付添いもしました。家では、お父さんがいない4泊5日の間、お母さんと2人で乗切りました。ずっと元気で過ごし、頼もしいともちゃんでした。
5月22日(火)の外来受診では、家族3人で福祉タクシーに乗って説明を聞きに行きました。ともちゃんは、お父さんが入院することになって「付添いしてあげる?」と話をした時から、「ハーン!」と笑顔で答えて張切っています。中年の患者さんの場合、家族として成人した子供が付添うことも多いらしいのですが、ともちゃんには他にもう一つ重要な役割があります。
先生からの説明が一通り終った後、お母さんが尋ねました。「お父さんが、この子を抱っこできるのは、いつからですか?」。そう、言葉で説明するよりも、実際のともちゃんを先生に見て貰うのが一番です。診察室の先生や看護師さんから一斉に注目されたともちゃんは「アハハハ」と笑っていました。お父さんがともちゃんを抱き上げてもいいのは、手術後2週間経ってからとのことでした。
5月30日(水)はお父さんの手術の日です。お父さんに付添うために病院へ行くともちゃんのガイドヘルプとして、ヘルパーさんにも来て貰いました。ともちゃんは、折り紙やクレヨンの色を選んで、デイセンターの職員さんと「お父さん頑張ってカード」を作っていて、これをお父さんに渡すのを楽しみにしていました。病室のお父さんに笑顔で渡して、声を出して笑って励ますと、お父さんはカードをテレビの前に飾ってくれました。
ともちゃんは、病棟の待合室の長椅子で横になってウトウトしながら、手術が終るのを待ちました。無事終ったと聞き、笑顔でお父さんを待ち構えていたのですが、医師や看護師さんに付添われて、お父さんを乗せたベッドがゴロゴロと引かれてやってきたので、その異様な光景にともちゃんは顔を強ばらせていました。でも、病室でじっくりとお父さんを見ると、表情がほころび、笑顔も出ていました。
家では、通常通りのヘルパーさんの訪問以外は、ずっとお母さんと2人で過ごしました。家事の大部分をお父さんに依存しているともちゃんの家なので、ともちゃんのための必要最低限の家事だけをしました。ともちゃんは、お母さんとリビングで寝起きしていました。お母さんが家事をする時はともちゃんに声をかけて、相談して進めました。ともちゃんが夜中に目覚めてしまった時には、お母さんに抱っこしてもらって「今度のガイヘルの時は何を着て行こ?」と楽しい話をしました。
お父さんが麻酔からすっかり覚めると、お父さんからのメールも届くようになって、ともちゃんも読んで貰いました。お父さんは術後の経過も順調で、予定通り今日退院してきました。一件落着です。この間、ともちゃんは、てんかんの大発作を起こすこともなく、家族として重要な役割をしっかりと果たしました。
まだ寒い頃のことです。四条通りの雑貨屋さんに買物に行ったお姉ちゃんが「お店に、どちらも車椅子の女の子が2人だけで買物に来ててんで。店の中、バリアフリーみたいやし、店員さんも自然に親切に応対したはって、楽しそうで、いい感じやった。ともちゃんも、ヘルパーさんと、このお店にお買物に行けたらいいなあ。シュシュとか、アクセサリーとか、いっぱい売ってるし。」と話してくれました。
それからそんなに日が経たないある日、ホームヘルプに来て頂いた時に、ヘルパーさんから思いがけない言葉を聞きました。「今年のガイヘルの行先ですが、四条にある雑貨屋さんに行きませんか? ともちゃんの好きなキラキラの髪飾りがいっぱいあって、きっと楽しいと思いますよ。」。かねてから、今年のガイドヘルプの時期や行先についてちょくちょく相談していたのですが、願ってもない話です。行先はすんなりと決まりました。
そして今日は、そのガイドヘルプでのお出かけの日です。ともちゃんは、これまでヘルパーさんと計画を立てたり、着ていく服を考えたりして、ずっと楽しみにしてきた日です。お気に入りのキティちゃんのコラージュのTシャツを着て、ブレスレットを着けたともちゃんは、ヘルパーさんと一緒に介護タクシーに乗って、阪急電車の駅に行き、障害者割引切符専用の自販機で切符を買って貰いました。
ともちゃんは初めて乗る阪急電車で、四条河原町駅まで行きます。駅は地下にあって、商業ビルのエレベータを使って、四条通りと河原町通りの交差点、四条河原町に出ました。もちろん、これも初めてのことです。休日は、車椅子では通行しにくいくらい歩道に歩行者が溢れる京都有数の繁華街ですが、さすがに平日の午前中は空いていました。ともちゃんは、信号に従って河原町通り、四条通りと順番に車椅子で横切り、まずは高島屋に到着です。
買物の前に、高島屋の7階にあるレストラン街のファミリーレストランでミルクの注入をしました。注入中、ヘルパーさんに抱っこして貰って、ともちゃんは気持ちよさそうに眠っていました。これが、とても良かったのです。早起きのともちゃんは、朝食の後に眠くて、お母さんは寝かそうとしたのですが、興奮していて眠れずに出発していました。ここで寝たことで、元気も回復。気分もすっきり、お買物を全力で楽しめます。
ヘルパーさんに車椅子を押して貰って、四条通を闊歩して雑貨屋さんまで行きました。雑貨屋さん1階のアクセサリーコーナーに入ると、ともちゃんは大喜びです。最初に自分の髪飾りを買います。シュシュ、ピン、クリップなど、それぞれに種類も豊富で、ともちゃんに勧める方も目移りしてしまいます。迷いましたが、背丈ほどもある回転ハンガーラックにずらりとかけられたシュシュは圧巻で、ともちゃんも目を輝かせて見ていたので、シュシュの中から決めることにしました。ピンクのバラのコサージュのシュシュを買いました。
次はお姉ちゃんへのお土産のウサギの置物を選びます。この店は4階建てで、各階に様々なウサギの置物が置かれていて、エレベータで見て回って選びました。大型のショッピングセンターのようにはエレベータも通路も広くはありませんが、ちょっとした物を退けてもらったり、他のお客さんに声をかけてもらったりと、店員さんが親切に気を配っていただけるので、車椅子でも難なく移動できました。
「ここの4階は一部が屋上庭園になっているはず。」とヘルパーさんに教えて貰って、行ってみることにしました。屋上に出るには大きな段差がありましたが、ここでも店員さんが手伝って下さって、無事に上がることができました。屋上には草木が植えられていて、ここが四条通りであることが信じられないくらい爽やかで落着く空間でした。ともちゃんもご機嫌でした。
雑貨屋さんを出てから、新京極まで車椅子を押して貰い、四条通りを渡って、向かいのお土産屋さんに入りました。京都キティちゃんを買うのが一番の目的です。色々な京都キティちゃんがいる中、ともちゃんは今年の大河ドラマ、平清盛キティと源頼朝キティを買いました。お父さんのお土産に千枚漬けも忘れずに買いました。ここまでお買物を楽しんだともちゃんですが、そろそろ疲れてきたかな。ちょうど帰りの時間です。「次は、新京極を巡ってみる?」、「デパートをじっくりと見て回る?」と、早くも気持ちは来年のお出かけに向っています。
ともちゃんは、H園のグループの外出で、京都水族館に行って来ました。京都駅の近く、梅小路公園内に新しくできた水族館です。メンバーさんが数人ずつに分かれて、日を変えての外出です。ともちゃんも先輩と一緒に行きましたよ。朝から降っていた雨が幸いにも上がったと思っていたら、水族館に着く頃には、また小雨が降り出してきました。ともちゃんが乗った車椅子にビニールカバーを掛けて駆け込んだ入口の壁には、大きくオオサンショウウオが描かれていました。
京都水族館の展示のイチ押しが京都の鴨川にも住んでいるオオサンショウウオで、ミュージアムショップのお土産にもオオサンショウウオをモチーフにしたものがたくさん揃っているとか。実物は入ってすぐのコーナーにいました。残念ながら、どれも頭と上半身を岩の隙間に入れてじっとしていて、見えているのは尻尾だけでした。ともちゃんも水槽の中を見つめていましたが、保護色の尻尾が分かったかな?
鴨川、由良川の京都の川ゾーンを過ぎると、次の展示はオットセイとアザラシの海獣ゾーン。多岐にわたる展示が魅力です。メインの水槽から床の下で繋がっているチューブ状の水槽いっぱいに上がってくるゴマフアザラシの迫力を間近で見ました。ゆらゆら揺らめく大水槽とその中を泳ぐ魚を眺めてきたともちゃんは、1階の展示を見終ったところで先輩と別れて、ミルクの注入をしました。
休憩スペースの長椅子で、職員さんの抱っこでゆっくり寛いだともちゃんは、また散策再開です。ペンギン水槽を覗くとちょうどご飯の時間で、水槽に潜った飼育員さんが餌を与えていました。ペンギンが水中を飛んでいるように泳ぐ姿に、ともちゃんも笑顔がこぼれます。大水槽、熱帯魚、クラゲ、タコなど色々な水槽を見ましたが、ともちゃんの一番のお気に入りは、カラフルな熱帯魚の泳ぐ水槽でした。
直接生き物に触れるコーナーでは、車椅子のために水槽の中に手が届かないともちゃんのために、ザルの方を持上げて貰って大きなヒトデも触りました。固くてザラザラしていたそうですが、ともちゃんはケラケラ笑っていました。イルカショーは、観覧席とプールの間の通路を通らせて貰って、間近で泳ぐイルカを見ました。
イルカのプールを出たところで、大小のイルカキティちゃんのぬいぐるみが当るくじ引きをやっていました。職員さんが「くじする?」と尋ねると、「アハハン!」。満面の笑顔で、みんなの期待通りの反応です。やる気満々で挑み、くじをしっかり握っていたのですが、残念! 一番小さい3等賞でした。打って変ってのションボリ顔に「大きいのが欲しかったんやね。」と、お店の人に言われていました。
気を取直して、大好きなショッピングです。家族それぞれにお土産も買って、自分にも誕生日入りのオオサンショウウオのストラップを買いました。家に帰って、お父さんにお土産の京都山カレーをあげて、楽しかった話をしました。イルカキティちゃんを見せて、くじの話もしました。またもやションボリしたともちゃんに、お父さんが「キティちゃん、このくらいの方が可愛いで。」と言うとニコニコ顔になり、「家族でも水族館に行こな。その時に、お父さんがまたくじ引かせたげるわ。」と約束して貰いました。
梅雨も明けて、本当ならともちゃんは絶好調の季節ですが、今年はてんかんの大発作に悩まされています。大きな発作は春から増加していて、ガバペンという薬を追加することで、一旦はうまく治っていたのですが、6月後半から身体が薬に慣れてきたのか、また増加してきました。今は、ガバペンの量を増やして再調整しながら、発作や昼寝の合間を縫って、行事や通園を楽しんでいるという状況です。
今日はともちゃんの23歳の誕生日でした。朝、H園へ通園すると、ビッグボタンスイッチの装置を持って、グループのメンバーがともちゃんの周りに集ってきてくれました。職員さんがスイッチをカチッと押すと、グループのみんなが歌う"Happy Birthday to You"が流れます。何度も押して貰って、みんなでお祝いして貰いました。登園する時から眠くなっていたともちゃんは、園に着いてもウトウトしていたのですが、大きな歌声が鳴出すと「なんや? なんや?」と目を開けて、うっすらと笑っていたそうです。
養護学校を卒業して、H園に通園するようになって5年目。週1回の通園ながら、H園内での所属が変ったり、グループのメンバーが入替ったりしながら、たくさんの職員さんやメンバーさんと関り、仕事も活動も色々経験して、社会人生活もすっかり板に付いてきました。今年度は、グループ内のポスター係も担当し、もの作りクラブにも所属しています。そんな中、誕生日に通園でき、みんなの中で誕生日を迎えられたことを嬉しく思います。これからも健康に注意しながら、園で新しいこと、楽しいことを重ねながら、人生を豊かに歩んで欲しいものです。
今日のともちゃんは、ピンクのキティちゃんのTシャツに、黒地に花柄のズボン、ピンクの花のついたミサンガを着けて登園しました。実は、このズボンもミサンガも、お姉ちゃんからプレゼントされたものです。家での誕生日パーティは、日曜日にすでに済せていました。無理せず、ゆっくりと昼寝をしてから、手軽に楽しめるものとして、今年はともちゃんがフルーチェを作って、家族みんなで食べました。
プレゼントもたくさん貰いました。お母さんとお姉ちゃんは、最近、「ともちゃんはブレスレットが似合うね。」とか、「ピンクのTシャツに合せる柄物のズボンは持っていないね。」とか話していたので、どちらもブレスレットとズボンのプレゼントになりました。品物はかぶっていますがデザインは全く違うので、ともちゃんのコーディネイトの幅が広がります。お父さんからは例年通り、いつでも欲しいものがあった時に、それを買ってあげるという「永久不滅ポイント」の約束でした。何を買って貰おうかと、こちらも楽しみなともちゃんです。
京都で初詣と言えば、一番に名前が挙がる伏見稲荷。お正月はお参りの人で大混雑ですが、真夏にお参りする人はそんなにいないだろうということで、出かけてみることにしました。ともちゃんの家からも、それほど遠くはありません。ところが、伏見稲荷に至る細い一本道に入ると、車が渋滞しています。前の車は東京ナンバーですが、こんな時期に伏見稲荷に行くのでしょうか?
いやはや、伏見稲荷は真夏も人気スポットです。JRの駅からすぐの大鳥居と狐の像の前では、たくさんの観光客が写真を撮っていました。駐車場に入るのも少し待ちましたが、出て行った車の後に誘導されて入りました。お母さんは静かで荘厳な稲荷大社をイメージして来ましたが、ともちゃんは賑わう境内に気分も高まって嬉しそうです。
予想外と言えば、お天気もです。朝降っていた雨が上がったところだったので、蒸暑い曇り空の中を出てきたのですが、伏見稲荷に着く頃には太陽が照りつけていました。幸い、お父さんが日傘を車に積んでくれていたので、ともちゃんは車椅子に日傘を取付けて行きました。駐車場から楼門の前を通って、拝殿の左側に出るとスロープになっていて、拝殿の前まで行くことができました。
お母さんは赤い鳥居がたくさん連なった千本鳥居のところに行ってみたかったので、それを目指してもう一段スロープを上がったのですが、階段になっていたこと、人が多いこと、暑いことで断念しました。鳥居の前では、カメラを構えた人が順番待ちをしているので、ともちゃんの写真をゆっくりと撮ることはできなかったのですが、本殿の奥の方には人気がない場所もあって、ゆっくりと写真が撮れました。
お土産も買います。伏見稲荷キティちゃんのポスターが貼られたお店を覗いてみました。この店は茶店もやっていて、かき氷を食べにきたお客さんで一杯です。ともちゃんは、狛犬の代りに鳥居下にいる、赤いよだれ掛けをした狐に扮したキティちゃんの根付けとタオルを買いました。「ぬいぐるみも欲しいやんなー。」、「アハハン。」。
今日はこれでおしまいですが、また今度、本当に人出の少ない時期を選んで訪れたいですね。今度は、千本鳥居の入口のところまで行ってみたいし、参道のお土産屋さんもゆっくり覗いてみたいです。伏見稲荷キティちゃんの根付けは、黄色の狐とピンクの狐の2種類あったのですが、今回買ったのは黄色のものだけだったしね。次はピンクの狐も買おうね。
京都の街の真ん中、広大な敷地に緑が溢れる京都御所。その塀の横は何度も通り過ぎましたが、一度訪ねてみたいと思っていました。一般に御所と呼ばれていますが、正確には御所を取囲むように自然豊かな国民公園の京都御苑があります。御所の中は普段は一般公開されていませんが、御苑の方は運動施設や駐車場、食堂もあって、一般に開放されています。ともちゃんの今日のお出かけ先は京都御苑です。
烏丸通りにある駐車場に左折で入るために、西大路通りを北上して今出川通りを右折しようとしたところで、真正面の山に大きく「大」の字が見えました。左大文字です。奇しくも明日は五山の送り火です。「そう言えば、京都御苑のホームページに大文字が見える場所があるって書いてあったわ。散歩しながら、その場所を探してみよか。」。広い御苑の中での散策の目的も決りました。
先に駐車場の傍の休憩所内にある食堂で、ともちゃんはミルクの注入、両親は少し早い昼食を食べて、早々とお土産コーナーでキティちゃんも探しました。お土産コーナーには定番の京都土産から、御所名物の御所煎餅まで色々あって、京都キティちゃんもいました。御所の京都キティちゃんは舞妓さんでも新撰組でもなく、平安京の宮中の女性の正装、十二単姿のキティちゃんでした。
大文字山はきっと御所の北東にあるに違いないという両親の思込みで、苑内散策では御苑の北東の門、石薬師御門を目指しました。御苑内の広い通りに出ると、ずっと砂利が敷詰めてあって、ともちゃんは適度な振動を楽しめましたが、車椅子を押すお父さんは大変そうでした。それでも、苑内は自転車も通って、砂利が固くなった轍の後が付いているところもあり、その上を通る時は楽でした。
ピンク色のサルスベリの花に足を止めたり、立派な京都御所の門の前で写真を撮ったりしましたが、森の中の小径に入ることはなく、ひたすら石薬師御門を目指しました。でも、門の前に立っても、大文字山は全く見えませんでした。それじゃあと苑内の地図を見て、今度は御苑の真東にある門、浦和院御門を目指して御所の塀に沿ってずんずん進みました。そうしたら、ようやく見えました。
大文字山の山頂の三角形に木々が刈られた部分に、「大」の文字が少し斜めから見えました。大文字山は御苑の真東にあるのでした。眺めていると、心地よい風も吹いてきて、ともちゃんもごきげんでした。明日の夜には、あそこで送り火が焚かれるのかと思うと感激です。
お父さんが夏休みの間、ともちゃんは1日おきに、伏見稲荷、京都御苑と順調にお出かけを楽しんでいます。今日は夏休み最後のお出かけになるので、本当は少し遠出を計画していました。しかし昨日の天気予報では、「晴れますが、急な雷雨にご注意を」と言っているではありませんか。数日前のゲリラ豪雨の被害を思うと、遠出するのは不安です。そこで、高速道路を通ることもなく、山や川でもない、京都市内の観光地に、最後もやっぱり出かけることにしました。
行き先は金閣寺(正式には鹿苑寺金閣)です。ともちゃんはキラキラ華やかなものが好きなので、以前から行ってみたいと思っていたところです。とても有名な観光地なので、駐車場に入れないと困ると思って、いつもより少し早めに出発しました。出発するとすぐ、ともちゃんは車の中で眠って、着く直前に起きてきました。もう金閣寺から帰る車もあって、回転は早いようです。第2駐車場には難なく入れました。天気予報通りの青空で、真夏の太陽が照りつけています。
駐車場から拝観受付に向って、ぞろぞろと人の流れができています。外国人の観光客もたくさん居られたし、すぐ後ろの人達の会話は東京弁でした。入場チケットは「開運招福・家内安全」の金閣舎利殿御守護のお札になっています。唐門を入るとすぐに池があって、その向うに金色に輝く舎利殿「金閣」が見えました。本当に全体がきれいな金色で、強い日差しに輝いていました。たくさんの観光客でごった返し、撮影スポットでは譲り合っての撮影です。
順路に従い池の周りをぐるりと回って、金閣に近付いて行きます。一番近付いたところで車椅子を金閣に向けて貰って、ともちゃんもゆっくりと眺めました。「これが金閣寺やで。キラキラやなあ。」とお父さんに話しかけられて、ニコニコしていました。金閣を過ぎても参拝経路は鹿苑寺の境内を巡るように続いています。お守り売り場でキティちゃんの柄のお守りを買って、滝のところまで行くことができましたが、そこからは階段なので引き返しました。
駐車場のお土産屋さんには、金閣寺キティちゃんが、5種類もありました。ともちゃんに選んで貰おうとしたのですが、炎天下の散歩の後でウトウト眠そうで、選ぶ元気がありません。それで、お父さんがともちゃんに代わって、キティちゃん自身も金色に輝いている、一番華やかなものを選んでくれました。駐車場からは左大文字が真正面に大きく見えています。今年は、送り火の前後に、火が付いていない五山の文字を2つも見たことになります。
車に乗ると、ともちゃんはクターっと眠りました。ミルクの注入は、少し車で走ったところにあるともちゃんお気に入りのショッピングモールのフードコートで行います。フードコートにやって来たともちゃんは、また元気を回復していて、「ここ知ってるで! 大好きなショッピングモールや!」とニコニコ。もう一遊びするつもりで張切っていました。でも、ミルク注入終了直後にてんかんの大発作が起り、断念。すぐに車に戻りました。
お父さんの夏休み中のお出かけは、おしまい。土日と体調を整えて、来週から戻る普段の生活に備えましょう。てんかんの大発作は、先週土曜日に起って以来、今日金曜日まで間が空いています。頻繁にお出かけしたのに、ともちゃんとしてはいい感じにコントロールできていました。普段の生活に戻っても、この調子で現状の薬でてんかん発作のコントロールができればいいですね。
てんかんの大発作が増えていて、春からずっと薬の調整をしています。以前から飲んでいるアレビアチンにガバペンを少量追加して、ひとまず落着いたのですが、しばらくすると効果が消失してしまいました。ガバペンを増量するとまた大発作がぐんと減って、しばらくはよい感じで過ごせるのですが、この状態は長くは続きません。この繰返しで、半年の間にガバペンの量を徐々に増やしてきました。特に最近は、ガバペンを増量した効果が続く期間が短くなっています。
主治医の先生は、ともちゃんのてんかんにはガバペンは合わないのかもしれないと仰って、一般に患者の体重に対して最適と言われている量(ともちゃんは1日当り900mg)まで増量してもまた大発作が増えたら、薬を変えましょうという方針になっています。先生の意見に賛成ですが、問題は薬を変えるタイミングです。新しい薬を使うと、その効果と副作用でともちゃんの体調がどのように変るかがすぐには読めないので、秋の行事やお出かけがある間は、ガバペンの増量で乗切って欲しいと思います。
秋のお出かけと言えば、今年も10月にH園から映画村に行くことが決っています。ともちゃんも楽しみにしていて、お母さんと映画村のサイトを見たり、何を着ていこうかと相談したりしています。この暑さなので、半袖Tシャツの上にカーディガンを羽織るくらいがいいかな。お気に入りのキティちゃんのTシャツの上に着て似合う薄手の赤いカーディガンが欲しいね。ショッピングセンターに買いに行こうという話が何度も出て、ともちゃんも行きたがっているのですが、その度に大発作があってまだ買物に行けずにいます。
行くことできないと言えば、歯医者さんもそうです。ともちゃんは左上の糸切り歯の先が尖っているので、てんかん発作などで唇を噛みしめた時に、下唇を傷つけてしまいます。その傷が 1年くらいずっと治らずにいます。昨年9月に噛み切ってから一度治ったのですが、この冬から増加していた筋緊張やてんかん発作のせいで、力が入ると尖った歯がちょうど傷口に突き刺さるのです。訪問して頂いている歯科衛生士さんと相談して、歯医者さんで糸切り歯の先端だけを丸めてもらおうと考えています。
週1回通っているH園では、ともちゃんのグループで作っているマドレーヌ(まいどレーヌ)の注文を他のグループに取りに行ったり、11月にあるH園フェスタのポスターを作ったりと、ゆったりとしたペースで活動しています。グループで育てていた夏野菜の収穫もありました。パプリカが立派に育ち、次々に実がなって、メンバーさんが順番に貰って帰りました。お家では、塩胡椒をしてオーブントースターで焼いて、ともちゃん以外の家族がおいしく頂きました。
ともちゃんは、てんかん発作の薬を調整中です。今日はH園から映画村への外出日ですが、5日前に大発作があって就寝中にも緩めの発作があったので、そろそろ大発作が起きそうな気配です。楽しいことがあると脳が興奮するので、帰ってからの大発作は覚悟の上ですが、出発までに大発作が起きないようにと願いながら、朝の準備をしていました。少しでも時間があると、ちょっとでも眠ったらと思うのですが、ともちゃんは張切っているので、そんな気配はありません。
ともちゃんは、お母さんと事前に相談していた通り、キティちゃんのTシャツにチェックのズボン、それに自分ではとうとう買いに行けず、お姉ちゃんに買って来て貰った赤いカーディガンでおしゃれをしています。腕には、キティちゃんのチャームが付いたブレスレットもしました。他のメンバーさんは朝登園して園からの外出ですが、登園時間の遅いともちゃんは園の車で迎えに来て頂き、自宅から直接映画村に向かいます。
途中で、数台前方に2台連なって走っている園の車を見つけ、追っかけて行ったので、映画村には揃って到着。みんなで一緒に入村しました。ともちゃんにとっては恒例となったプリクラ撮影をして、食事場所へ向いました。今回はパディオス内の救護室でミルクの注入をします。口から食事をするメンバーさんは、隣にあるレストランで食べます。このレストランは、ともちゃんが1回目に映画村に来た時に、ミルクの注入をした場所です。今年で3回目の映画村ですが、ともちゃんは毎回違う場所で注入しています。
長椅子の上で職員さんに抱っこされて、ミルクの注入と食後の薬が終った直後、強直間代発作が起ってしまいました。ガクガクしていたのは1分くらいで、悲鳴も出ました。「ここまで来れただけでも良かった。このまま眠ってしまうだろうから、ずっとこの救護室でゆっくり過ごせばいい。」、お母さんはともちゃんを抱っこしながらそう思いました。しばらくぼんやりとまどろんでいたともちゃんは、しっかりと覚醒して、笑顔を見せています。「元気になったん? 散歩するの?」お母さんの問いかけに、ニコニコしています。
ともちゃんは、職員さんと看護師さんとお母さんの4人で散策開始です。前回は回れなかった映画村の北東方面を中心に見て回りました。港町に通りかかると運良くプールから恐竜が顔を出し、御利益大明神の前に来るとちょうど大明神様が現れてくれました。からくり忍者屋敷の横を通り、ちゃんばら辻指南をしているのを横目で追いました。写真もたくさん撮りました。ともちゃんはしっかりと起きていて、楽しそうにしていました。最終目的地は中央広場。ここで、みんなで集合写真を撮ります。
今日、映画村に一緒に来た園のメンバーさんは、みんなで6人。ともちゃんのグループの人だけではなく、今回は別のグループの人達も一緒です。それぞれのグループで、何組かに分かれて日を変えて順番に映画村に来ます。ともちゃんは、その第1陣でした。それぞれ一緒に来たメンバーさんと、仮装して集合写真を撮ろうというのが今年の趣向です。業者さんに集合写真を撮って貰うと、カツラや着物、法被、刀などを借りることができます。ともちゃんも、お姫様のカツラにピンクの着物を羽織らせて貰って、すまして写真に収まりました。
ともちゃんは、やっぱり買物が大好きです。お土産を買いに行くと、さっき大発作があったとは思えない満面の笑顔でした。自分用には、映画村キティちゃんの根付けとタオル、それにずらりと京都キティちゃんが揃っていたので、祇園祭の鉾キティちゃんも買いました。カレーの好きなお父さんにはマツケンカレーのセット、お姉ちゃんには忍者サブレを買いました。3回目の映画村をフルに満喫したともちゃんは、帰りの車の中では安心して眠りました。
大発作の後、寝ていないのに、こんなに笑顔が出てしっかり楽しめたなんて、珍しいことです。すごいです。ともちゃんは気力と底力で頑張ったのでしょう。本当に良かったです。映画村は、H園からの外出として、すっかり恒例となりました。ともちゃんは、毎年違う映画村を楽しんでいて、これからも毎年行きたい場所です。でも今年はテレビの時代劇がなくなってしまい、撮影機材を積んだカートが村内を走り、スタッフが撮影準備をしている光景が見られなくなったことは、ちょっと寂しいですね。