ともちゃん の日常50


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2013年11月以前(ともちゃんの日常49へ)

2013年12月

20日(金)
「2013年のクリスマス」

2014年1月

5日(日)
「2014年の幕開け」

21日(火)
「iPadでお買物」

2014年2月

14日(金)
「書初めとチョコムース」

2014年3月

25日(火)
「ゲームセンターにプチ外出」

2014年4月

9日(水)
「園からのお花見」

2014年5月

4日(日)
「道の駅さらびき」

14日(水)
「プチ外出はやっぱりゲームセンター」

2014年6月

4日(水)
「嵐電で嵐山」

2014年7月

25日(金)
「四半世紀」
(2018年3月11日に掲載)

2014年8月以降(ともちゃんの日常51へ)


2013年12月20日(金)

ともちゃんは、フェスタの翌週に急に冷え込んだのを機に、冬ごもりに入ってしまいました。眠い日も多いのですが、H園の職員さんが毎週1回、訪問して下さっています。11月最終週の訪問の時のことです。「クリスマス会の出し物が決まったよー。」と入って来られました。AKB48の「恋するフォーチュンクッキー」を踊っている写真で、スライドショーをするそうです。来られるまで眠っていたともちゃんですが、満面の笑顔で聞いています。

 各人が色々な扮装をして、場面ごとのポーズを決めて写真を撮って、歌に合せて順番に写真を出すとのこと。「ともちゃんは、どんな扮装をするかなあ。」と話しているうちにまた眠気が勝ってきて瞼は閉じてきているのですが、口角をキュッと上げて、「ウフ、ウフ,ウフ」と小さく声を出して、話に参加していました。ともちゃんは、少し前にお母さんとテレビでこの曲を色んな人達が踊る自治体のPR動画を見ていたので、自分も踊りたいと思っていたのかもしれません。

 それからも冬ごもりは続いていましたが、家でYouTubeで曲を聴いていました。訪問時に園にある衣装を持ってきて頂いたり、家にあるものを使ったりして、色んな扮装をして写真を撮りました。訪問の間だけでは、ともちゃんが眠くて笑顔が出ないので、ともちゃんの気分の良い時にお母さんと撮影もしました。「衣装着て、写真撮る?」、「ハハーン!」と張切ってニッコリしても、筋緊張が強く関節拘縮があるので、着替えは一苦労。着替えただけで眠くなって、衣装を着たまま一眠りしてからということもありました。

 例年、クリスマス会の頃はすっかり冬ごもりで、なかなかクリスマス会には参加できなかったのですが、今年は意欲が違います。ともちゃんは行く気満々です。曲をかけると笑顔が出ます。曲に合せて、抱っこで身体を動かすと楽しそうです。写真撮影の時も、曲をかけて(限られた可動域ではありますが)ゆっくりと腕を伸ばすと、ニューッとにこやかに伸ばしてくれます。寒い日が続く中、一時は痰と咳が多くなって参加が危ぶまれましたが、それも乗越えました。

 昨夕、H園の職員さんに電話をかけて当日通園できることを話し、様子を聞きました。クリスマス会は、ともちゃんがいつも園に到着する時刻には始っていて、一番最初の出し物がともちゃんのグループのスライドショーです。でも、「スライドショーはDVDにしてみんなに配るので、会で見られなくても家に帰って見られます。焦らずにいつも通りに園に着いても大丈夫ですよ。」と職員さんが教えて下さいました。

 クリスマス会を心待ちにして、この電話もニコニコして聞いるともちゃん。何より楽しみにしているのは、自分たちのスライドショーです。どのように出来上ったかを見たいはずです。「ともちゃんの出し物、一番最初やけど、頑張って早く行く?」、「フウン!」。お母さんは3度聞いてみましたが、いずれも答は同じでした。送迎をお願いしている支援センターに相談したところ、ありがたいことにスケジュール的にも少し早く迎えに行くことが可能であるとの回答を頂きました。

 今朝のともちゃんは出来過ぎです。朝食の後、少し眠って(ともちゃんにとって、少し眠っておくことは園で元気に過ごすために大切なことです)、いいタイミングで起きて、準備万端整って、車椅子に乗ってお迎えの車を待つことができました。もちろん、クリスマス会には最初から参加できました。スライドショーの後は、エグザイルの連ってグルグル回るダンス、大漁節、フラダンス、鈴の演奏と他のグループの熱演が続き、楽しいクリスマス会でした。

 同じグループのメンバーさん達と並んで、前方で見ていたともちゃん。自分たちの出し物では何度も笑っていて、その後は落着いて見ていたそうです。よかったね。頂いたDVDは、家で何度も何度も見て、家族で楽しんでいます。
Merry Xmas!

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2014年1月5日(日)

 ともちゃんの2013年を振返ってみます。まず特筆すべきは、2012年の大晦日を最後に、2013年の1年間はてんかんの大発作(強直間代発作)が全く起りませんでした。抗てんかん薬をアレビアチン、イーケプラ、ガバペンの3剤にしたことで、大発作がうまくコントロールされているようです。大発作が治ったことで、当日の朝に予定をキャンセルするということが格段に減りました。9月の広島一泊家族旅行の計画を思い切って進められたのも、大発作が治っていたのが幸いしました。

 冬ごもりから目覚めて、さあ活動という5月に感染性胃腸炎で入院してしまいました。でも、退院後H園に復帰してからは順調で、ジオラマ京都ジャパン(6月)、1度目のガイドヘルプ(月)、夏祭り(8月)、広島一泊旅行(9月)、映画村(9月)、2度目のガイドヘルプ(10月)、H園フェスタ(11月)、クリスマス会(12月)と、次々に外出や行事に参加できました。イベントが一つ終ると、すぐ次の準備が始るという感じで、次々に楽しみがやって来ました。

 お仕事も頑張りました。H園でのポスター係は2年目になり順調です。通園した時にポスター作りに関ったことで、次のイベントを意識して、それを期待するという思いがけない効果も生れています。ともちゃんはポスター作りに関ることを誇らしく思っているようですし、ポスターを誉められると嬉しそうです。冬ごもりの間は、例年通りH園からポスターやマドレーヌのラベル貼り、イベントの準備など色々な仕事を持って訪問して頂き、ぼちぼちマイペースでこなしました。

 訪問と言えば、冬場のH園の職員さん以外にも、年間を通じてホームヘルプ、訪問看護で訪問して貰っています。以前は、ともちゃんが眠そうなら(特に冬ごもり中はウトウトよく眠るのですが)、寝て体力を温存することを優先して、訪問をキャンセルしていました。しかし、昨年は眠くても特に体調が悪くなければ、なるべく来て頂くようにしました。訪問中ほとんど眠っているという日もありましたが、今日は訪問に来て貰ったという満足感を感じてくれたら嬉しいです。

 例年、冬ごもりの間は驚くほど昼寝をしていても、暖くなると不思議にちゃんと生活のリズムがついて、昼間目覚めて活動ができていたのですが、昨年はそうではありませんでした。夏になっても、特に自宅にいる日は昼間もよく眠ることがずっと続いていて、気になっていました。病院の検査では特に異常はなく、また事前によく寝かせることに注意を払えば、前述のように行事やお出かけを楽しめたので、本当に単に眠かっただけなのかもしれません。

 さて、2014年のお正月、ともちゃんは家で家族とゆっくり過しました。今年も健康に注意しながら、無理せず楽しい経験がたくさんできたら嬉しいですね。年2回になったガイドヘルプでのお出かけ、今年はどこに行く? 「冬の間に下見に行ってくるわ。」とお母さんが早速相談しています。暖くなれば、お正月にネット通販のバーゲンで買った洋服でお洒落をして、通園したり、お出かけしたりしましょうね。年が明けると、春が待ち遠しくなります。

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2014年1月21日(火)

お正月にお姉ちゃんが見せてくれたiPad miniが欲しくなったともちゃんは、お父さんに5ヶ月遅れの誕生日プレゼント+1ヶ月遅れのクリクマスプレゼントとして買ってもらうことにしました。誕生日やクリスマスにともちゃんが特に買って欲しいものがないと、お父さんはいつでも欲しい物が出来た時に買ってもらえる権利をプレゼントしてくれます。それをお父さんは「永久不滅ポイント」と呼んでいます。当日は、現物が何もないのでちょっと淋しい気もしますが、こういう時に威力を発揮します。

 ともちゃんはネットショッピングが大好きです。お正月もバーゲンでお姉ちゃんと相談して洋服を買っていました。でも、今まで使ってきたキティ柄のパソコンの調子が悪くなってきていて、ブラウザがサクサク見られなくなっていました。iPad miniなら、ともちゃんの膝の上でも、目の前でも自由に持っていくことができるし、太くて持ちやすいタッチペンも買ってもらったので、手を添えてもらって自分でポチっと注文しやすくなりました。

 ともちゃんが最初に買おうとしたのはキティ柄のヒートテック。愛用のヒートテックにキティちゃん柄が2種類出たと知ったともちゃんは、欲しくなりました。でも近くのお店では1種類が完売でした。そこで早速ネットショッピングです。お母さんに「送り先とか入力するから、最後にともちゃんがポチしてな。」と言われ、ともちゃんはお父さんにタッチペンを持たせてもらって構えています。必要事項を記入したお母さんは、次に確認画面が出たら後はともちゃんに任せるつもりで「次へ」をタッチ。すると確認画面は出ずに、それで注文完了になってしまいました。張切っていたともちゃんはガッカリ。

 気の毒なことをしたと思ったお母さんは、ともちゃんがポチできる別の商品を考えました。微量元素補給飲料「テゾン」というものです。ともちゃんは経管栄養が主なので、不足しがちな亜鉛などの微量元素を補った方がいいとお医者さんに勧められて半年以上前から飲んでいますが、買置きが無くなっていました。テゾンにはアップル味とサワー味があって、口から少し味見をした後、経管で注入しています。ともちゃんは酸味が苦手なので、特に大好きで楽しみにしているという訳でもないようです。今度は発注のポチは「大成功!」でしたが、ともちゃんは「自分の買物じゃない。」という顔をしていました。

後日談(5月3日追記)
 買物以外でも、スマホより大きな画面で、パソコンより軽くて掲げ易いiPad miniは大活躍しています。ともちゃんは、「太鼓の達人」をお母さんと一緒にタッチペンを持ってプレイしています。連打の時は、お母さんがもう片方の手で持っているiPadをともちゃんのタッチペンに向って連打してくれるので、筋緊張の強いともちゃんでもうまくいきます。

 フォトストリームも便利です。今年のヘルパーさんとのお出かけは大阪駅を予定していて、お母さんが一人で下見に出かけるのですが、お母さんが撮った写真はすぐにお父さんと留守番をしているともちゃんも見ることができます。後でヘルパーさんと、iPadの写真を見ながら、お出かけの計画を立てるのにも役立っています。

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2014年2月14日(金)

ともちゃんの冬ごもり生活は今年も順調です。基本的には、月曜日は訪問看護師さん、水曜日はH園の職員さん、金曜日はヘルパーさんに来て頂いています。昨年心配していたウトウト一日中眠いということは、今のところは気になりません。眠っている日や眠い日もありますが、途中で目覚めて笑顔が出たり、眠いながらも頑張って活動したりしています。しんどいのに無理をするのは禁物ですが、無理せずこの調子でオンオフのリズムが付いていけば嬉しいです。

 看護師さんとはリハビリのうつ伏せもしています。ヘルパーさんは色々な方が来て下さるので、昨年のクリスマス会の出し物のDVDを見ておられない方が来られると、それを一緒に見て貰っています。ともちゃんは、春になってお出かけシーズンが訪れるのを心待ちにしていて、今はヘルパーさんと今年のガイドヘルプでのお出かけについて、あれこれ相談することが一番の楽しみになっています。

 ガイドヘルプは年2回お願いしていて、昨年は京都の四条烏丸と四条河原町にあるデパートに行きました。キラキラ華やかな空間での買物が好きなともちゃんなので、京都にあるデパートを全部行き尽くそうと計画しました。残るは、京都駅にあるデパートだけです。今年はこの京都駅にあるデパートと、あとの1回は同じデパートがJR大阪駅にもあるので、「JRに乗って大阪駅にも行ってみようか。」と話しています。

 1月14日は職員さんの訪問日でした。この日の活動は恒例の書初めです。今年は何と書きましょうか。まずは、ともちゃんの大好きなことをいうことで「買い物」。筆に墨汁を着けて、職員さんに手を持って貰って一緒に書きます。それじゃ、次は目標の「大阪」。3つ目は、ともちゃん恒例の今年の干支「馬」と書きました。「馬」の様に颯爽と「大阪」まで「買い物」に行きたいなあという、ともちゃんの今年の抱負になりました。

 2月12日の職員さんの訪問は、バレンタインデーに向けてのチョコムース作りでした。ともちゃんにとって、久しぶりのクッキングです。職員さんにレシピを使って説明をして貰うと、笑顔でやる気をアピール。予め刻んできて貰ったチョコレートを生クリームと混ぜて、レンジでチン。ゼラチンも水でふやかして、レンジでチン。残りの生クリームを泡立てて、全部一緒に混ぜてケースに流しこみました。刻みチョコで少しデコレーション。冷蔵庫で冷して出来上りです。ともちゃんは綺麗にラッピングすると、にっこり満足そうでした。

 2月14日、今日が本当のバレンタインデーですが、ともちゃんは一昨日お父さんにチョコムースをプレゼントして、「美味しい!」と食べてもらいました。さて、今日は朝から雪が降り続いていて、ともちゃんの家のまわりにも雪が積っています。ともちゃんは、ヘルパーさんに抱っこして貰って、窓の外の銀世界と、次から次から降ってくる雪を興味深げに眺めていました。ヘルパーさんとの今日の話題はやっぱり春のお出かけのこと。大阪駅のデパートが7月から改装されるというニュースを聞いたので、春の外出を大阪駅に変更したのです。大阪駅のデパートの話をうれしそうに聞いています。

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2014年3月25日(火)

冬ごもりの間、「春になったらガイヘルで大阪駅に行こう。」というのを楽しみに過してきたともちゃんですが、訪問して下さった職員さんから嬉しいニュースを聞きました。2013年度のボーナスが支給された翌日、今年度の締括りの行事としてグループ全員で近くの複合型アミューズメント施設へプチ外出する計画があるというのです。その施設には、ゲームセンター、本屋さん、CD屋さん、カフェなどが入っていて、それぞれにお小遣いを持って行って思い思いに楽しもうということです。

 近いところに目標が出来たともちゃんは、一層張切っているのが分ります。ともちゃんは、ゲームセンターで遊びたいと思っています。職員さん、ヘルパーさん、看護師さん、歯科衛生士さんが訪問して下さる度に、「最近のプリクラは本人とは思えないくらいに加工できるよ。」、「クレーンゲームで何か取れたらいいなあ。」とこの話題で盛上りました。お母さんは自分の財布に貯った100円玉をともちゃんの小銭入れに着々と集めていきました。

 ともちゃんが体調を崩すこともなく、園で感染症が流行ることもなく、無事にプチ外出の日を迎えました。ともちゃんにとっては、冬ごもりから目覚めて初の通園にして、いきなりの外出です。朝の準備の後、お迎えの車で30分間眠るという、とても良いリズムで出発できました。ともちゃんは直接アミューズメント施設に向い、園から来る他のメンバーさん達と合流します。途中の公園の桜の木が一本だけ花を咲かせていました。ともちゃんが到着した時、病院に寄ってから直接こちらに来たメンバーさんと一緒になりました。

 みんな揃って玄関ホールに車椅子で勢揃いすると、圧巻です。記念写真を撮りました。その後はそれぞれが自由に楽しみます。ともちゃんは2階のゲームセンターへ。まずはプリクラを撮ります。最近のプリクラは操作が複雑で、「短時間で的確に選択するには、若者の力を借りましょう。」ということで、実習に来ていた学生さんにボランティアとして参加していただきました。最初、「いつの間に撮影が始ったの?」と慌てたこともありましたが、実習生さんのおかげで綺麗に仕上りました。

 次はクレーンゲーム。ともちゃんの期待も高まっています。キティちゃんのマスコットがあったので早速チャレンジしましたが、取出し口からの位置が遠く、ほとんど動かせずに諦めました。もはやキティちゃんにこだわってはいられません。「何かお土産に取って帰りたいなあ。」、「3本爪のクレーンのLINEのキャラクターが取りやすいかも。」。ともちゃんの手を一緒に持ってボタン操作するお母さんと、位置合せを確認する職員さんの連携でぴったりの位置にアームが来たのに、アームの力がユルユルでするりと抜けてしまいました。

 取れそうな台を探して、くまモンを奥から出して貰おうと声をかけた店員さんに「どこを狙ったらいい? この台は取りやすいの?」と尋ねてみました。すると店員さんが「取りやすいのはこっちの台。1回200円だけど、ここを狙えば確実に取れますよ。」と実演してくれました。リラックマの景品をセットしてもらって、ともちゃんは一発ゲット! 満面の笑顔で大喜びでした。とても楽しい通園シーズンの始りでした。これからも順調に通園できて、今度はお花見に一緒に行けたら嬉しいですね。

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2014年4月9日(水)

今年度はゲームセンターへのプチ外出をきっかけに、ともちゃんは少し早くから順調に週1回の通園を始めています。今日はH園のお花見にも参加できました。3月にゲームセンターに行く途中に前を通った、あの公園です。園では毎年、この公園にお花見に来ています。ともちゃんは、いつもこの頃はまだ冬ごもりで、ようやくヘルパーさんや家族と家の近くの公園にお花見に出かけるくらいでした。ずっと来たいと思っていたお花見に、通園して7年目にしてようやく参加することができました。

 園からのお花見と言っても、グループ全員で出かけるわけではありません。何人かの小さなチームに分かれて、月曜日から順番に出かけています。園からの外出形態としてはこちらの方が普通で、グループ全員で出かけた先日のゲームセンターは珍しいケースです。グループ初の試みでした。今回も家まで迎えに来ていただいて、そのまま直接公園に向いました。今日のメンバーはもう一人お家から直接来られる方と、園からは今年の新人さんと去年の新人さんのフレッシュ男子2人組も来てくれます。彼らは今年2回目だそうです。

 今年の開花宣言は先月の27日と早かったので、今日まで桜の花が保つかどうか心配でした。けれど、先週末からの冷込みで花は残り、今日はうららかな晴天の下、少し散始めたものの満開の桜を眺められる絶好のお花見日和となりました。先週末からの冷込みはともちゃんの体調にも影響を及ぼし、土、日は痰が多くなって夜中にも吸引が必要になっていました。夜中に痰が多くなると眠れず、それがきっかけで生活のリズムが乱れがちになります。体調が落着くと、お花見に向けて今度は生活のリズムを整えました。昨晩は「明日に備えて早く寝ようね。」と言うと機嫌よく返事をして、ちゃんと眠りました。

 公園はこの地域で、お花見の名所になっています。今日も老人ホームのお年寄りが大勢で来られていました。ともちゃんは車を降りて、公園内を車椅子で移動する時からニコニコご機嫌です。輝く春の日差しや公園のざわめきが心地よく、お出かけシーズンの到来を喜んでいるのでしょう。公園には、大きな枝垂れ桜が1本あって、ともちゃんの目の高さにも花が咲いています。職員さんに花を顔の前に近付けて貰って、笑顔で眺めていました。こんな近くで桜を見たのは初めてです。高いところに花を付けている桜は、下から薄いピンクの天井のように仰ぎ見ました。木陰に入って、職員さんの吹いてくれるシャボン玉でみんなで遊んでいる間も、ずっと楽しそうな表情をしていました。

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2014年5月4日(日)

今年のゴールデンウィークは、合間の平日に、大阪に住んでいた頃からお世話になっている病院にお父さんの車で2回も通院しました。1回はリハビリで、もう1回は小児科の先生に半年ぶりの近況報告です。ともちゃんは、お父さんの車でのお出かけが久しぶりだったので、うれしそうでした。2度目の通院の帰り道には、病院を出るとすぐに寝たのに、高速道路に入ると目を覚まし、笑顔で声を出して「どこかに寄り道して帰ろ。」と言っているようでした。「ともちゃん、連休の後半にお出かけするから、今日はまっすぐ帰ろか。」

 さて、今日は約束していた連休のお出かけです。「近くの田舎」を求め、京都縦貫道を終点まで行ってさらに地道を走り、船井郡京丹波町の「道の駅瑞穂の里・さらびき」に行きます。昨年できたインターチェンジから入ると、いつもなら空いている下り方面も、今日は結構車が多く走っています。さすがは連休。新しく開通した区間は市街地近郊の山際を通り、ほとんどがトンネルなのですが、トンネル入口の山肌に見える新緑が美しいです。新緑の中、一画にピンクの部分が見えるのは八重桜でしょうか。それとも、ツツジでしょうか。

 沓掛インターを過ぎてからは車が途切れずにつながっています。のどかな田園地帯を走る京都縦貫道も、ともちゃんのドライブコースとしてすっかりお馴染みになりました。ともちゃんは、にこやかにドライブを楽しんでいます。南丹パーキングエリアはトイレがあるだけの小さなPAですが、今日は車がたくさん止っていて、混雑している様子が見えました。そのうちに八木料金所での渋滞に捉まりましたが、料金所を過ぎるとまたスムーズに流れ出しました。八木西インターで降りた車が多かったのか、なんだか車が減ったようです。

 京都縦貫道を終点まで行って、地道に降りました。「山の中のくねくね道とは違うみたいやから、9号線より狭い近道行ってみよ。」。ともちゃんは、くねくねの山道が苦手なので、特に山間部ではなるべく広い道を走ります。ですが、この山間の近道は前後に走る車もなく、道は平坦でカーブも少なく、快適でした。目的地の道の駅さらびきは、宿泊施設も有するスポーツ施設「グリーンランドみずほ」の中にある施設の一つとして、グリーンランドの西の端、国道9号線から173号線に少し入ったところにあるのですが、近道したので「グリーンランド」を反対側から縦断して裏から到着しました。

 建物の前には人が溢れているし、駐車場もかなり埋っていますが、表に回ると幸い車椅子駐車スペースが空いていました。早速、軽食コーナーでミルクの注入です。ともちゃんは久しぶりの道の駅での注入に、ニコニコうれしそうです。お父さんとお母さんは丹波名物の枝豆コロッケや猪肉コロッケ、枝豆ソフトクリームも食べました。店内が混合って来た頃には注入も終り、散策に出ました。緑の眩しい山を近くに見ながら、花がきれいな歩道をレストラン付近まで行きました。振返ると、道の駅には鯉のぼりが掲げられていました。

 来る時から張切っていたともちゃんは、お腹が一杯になって眠たくなってきました。道の駅のお土産コーナーでお土産を買って帰ります。丹波と言えば猪ということで、猪のキャラクターのストラップ類が幾つか出ていました。猪コロッケが食べられなかったともちゃんは、猪の鈴のストラップを買いました。京都縦貫道のおかげで、「近くの田舎」がまた一段と近くなっています。沿線に道の駅もたくさんあるので、気軽にリフレッシュしに出かけたいものです。

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2014年5月14日(水)

ともちゃんが通園しているH園からのプチ外出で、3月に続いてまたゲームセンターにやってきました。今回のプチ外出は、前回のようにグループ全員で一緒に出かけるのではなく、いつも通りに数人ずつのチームに分れてのお出かけです。出かけた先も、口からご飯が食べられる人達はファミリーレストランに行ったり、カラオケに行くチームがあったりと様々です。ゲームセンターが大好きなともちゃんは、もちろん今回もゲームセンターに行きます。

 今日はちょっと眠い日でしたが、迎えに来て頂いた時には笑顔でお出迎え。直接ゲームセンターに向います。一緒に行く先輩も直接家から来られますが、「きっとともちゃんの方が先に着くから、ゲームして待っていてね。」と言われていました。しかし、ゲームセンターに向う道で、先輩を乗せた園の車が前を走っているのに気付きました。相次いで到着したので、入口で一緒に記念写真が撮れました。

 さあ、クレーンゲーム。何が入っているかな? 取れそうな景品はあるかなあ? 事前のお母さんとの話で、「何がとれるかなあ。キティちゃんが取れたらいいけど、前も取出し口から遠くに置かれてたからなあ。リラックマでもええなあ、LINEスタンプのキャラでも、くまモンでもええか。」、「アハハ!」。「あと何が入ってるかなあ? この際、『なめこ』でもええか?」、「ハン」。ともちゃんは、あまり可愛くない「なめこ」でもいいから、何か取りたいようでした。

 キティちゃんのティッシュケースカバーは可愛いけれど、これはちょっとやそっとでは取れそうにありません。3本の爪で掴む小さなクレーンの中に、なだらかに山積みされたリラックマの鯉のぼりマスコットを見つけました。上手く引っ掛けて落せば、取れるかもしれません。職員さんが試しにやってみて下さいました。結構動いて、これなら落せそうです。ともちゃんはお母さんと操作して、まずは1個目をゲット! 「これも取れそう。」と職員さんがともちゃんと一緒に操作して下さって、うまく落して2個目もゲットです。「すごいなー!」、みんなに拍手してもらって、ともちゃんは大喜びです。

 次はプリクラ。先輩のEさんと撮るのは初めてなので、ぜひ一緒に撮りたいと思っていました。ストレッチャーに乗っている先輩は職員さんに抱っこしてもらってプリクラ機の中に入り、ともちゃんは車椅子に乗ったまま一緒に写るつもりでした。ところが、撮影が始って撮れた画面を見てびっくり。このプリクラ機は立った人の上半身の位置にカメラが向いていて、ともちゃんの頭の上の壁が写っています。大慌てで、連写の合間にお母さんと職員さんとでともちゃんを抱え上げました。楽しい大騒ぎをしたおかけで、間に合って素敵なプリクラが撮れました。

 短時間のお出かけでしたが、やはりゲームセンターは楽しかったようです。家に帰って布団の上に置かれた途端にクターと眠りに落ちたともちゃんは、ぐっすり眠った後、起きてきました。ニコニコと上機嫌で「アンニュン、アンニュン」、笑顔でおしゃべりした後、「アハハ! アハハハハ!」と声を出して笑っていました。今日の出来事を思い出して、満足感に浸っているようでした。

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2014年6月4日(水)

近畿地方が梅雨入り宣言となった今日、ともちゃんはH園からの半日外出で京福電鉄嵐山線に乗って嵐山駅までお出かけしました。地元では、京福嵐山線は嵐電(らんでん)と呼ばれています。嵐電に乗る区間は、嵐電嵯峨駅から嵐電嵐山駅までのたったの一駅。地図上で見る限りでは、渡月橋の長さとあまり変らない距離に見えます。けれど、電車、しかも普段は馴染みのない嵐電に乗って嵐山に行くというところが、観光気分にどっぷり浸れる素敵な企画です。

 心配していた天気ですが、晴れ女のともちゃんと、雨女の職員さん、看護師さんが一緒に行ったので、雨に降られることもなく暑くもない、ちょうど良い曇りの日でした。嵐電嵯峨駅までは園の車で向いました。車を降りて、踏切りを渡って「駅はこっち」の看板に導かれるままにスロープを上ると、そこはすでにホームでした。駅舎も改札もありません。ホームも車椅子が一台上ると、それだけでもう白線内の幅が一杯になるくらいの狭いホームでした。

 嵐電は1両だけの路面電車。ともちゃんは後ろのドアから、一緒に行ったEさんは前のドアから分れて乗車しました。車内は、パラパラ立っている人がいる程度の混み具合。車椅子席には外国の観光客の人がすでにベビーカーを付けておられましたが、ともちゃんが乗込んで来たのを見ると、さっと車椅子席を譲ってくれました。お母さんは「すみません」と会釈して、車椅子を固定しました。嵐電は家の軒先を抜けて走ります。ともちゃんは静かに旅を楽しんでいます。

 1駅区間のチンチン電車の旅はすぐに終り、嵐電嵐山駅に到着しました。着物の布地で作った円柱状のライト(キモノフォレスト)が立並ぶ綺麗な駅です。終点なので、一番最後に降りようとゆっくり構えていると、先に行った外国人観光客のお父さんが戻って来られて、身振り手振り付きの英語で、「降りる時に車椅子の手助けをしなくても大丈夫ですか?」とお母さんに尋ねました。お母さんは慌てて、笑顔で会釈しながら「OK」と答えたのですが、日本語で「有難うございます。大丈夫です。」と言うように感謝の気持ちを伝えられなかったことを悔やんでいます。

 ホームに降立つと、駅員さんに直接障害者手帳を見せて運賃を支払いました。嵐電嵐山駅にも改札はありません。昨年夏に改札口を取払い、駅ビル全体を「はんなり・ほっこりスクエア」として、緑地、池、お土産屋さんを回遊路で繋いだ空間として改装されたそうです。ホームの先には足湯もあります。ともちゃんは買物をしますが、一緒に来たEさんは足湯に入られるそうです。スクエアの中にはベンチも多くて、ともちゃんはキモノフォレストを背にしたベンチでミルクの注入をしました。

 食後、ともちゃんは目がランランと輝き出し、元気一杯です。さあ、買物に出かけます。まずは嵐電のピンバッジのガチャガチャから。お金を入れて職員さんと一緒にレバーを回して、出て来たのは京紫の611型。ともちゃんが乗って来たのは緑の2001型だったけど、京紫の車両はホームにあって、一緒に写真も撮りましたね。次はお漬物屋さん。ともちゃんは、事前にスクエアのホームページを見て、お母さんにお土産にお漬物を買ってと頼まれていたので、お漬物屋さんに行くと大張り切りです。お父さんにウリの浅漬け、お姉ちゃんに刻みすぐきを選んで、カゴに入れ、膝に抱えて大はしゃぎでした。

 自分のお土産も忘れません。キティちゃんが沢山あるお店は、入口に高い段差があって、車椅子で店内に入れなかったのですが、商品を外に持って出て選んでも良いという許可をお店の人に頂きました。沢山の京都キティちゃんの中から、人力車のキティちゃんと、ちょっと大きめの舞妓さんキティちゃんを買いました。小物屋さんを覗くと、思いがけなくそこにもお店オリジナルのキティちゃんが。ガーゼハンカチでは、椿柄と桜柄から桜柄を選び、シュシュも買いました。「スクエア」の中も観光客が一杯、至る所で外国語が飛び交っていて、ともちゃんも観光客気分で大満足でした。

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2014年7月25日(金)

ともちゃんは今日、25歳の誕生日を迎えました。たいそうに言うと、「四半世紀」生きて来たことになります。ちょうど通園日で、歌を歌ってみんなに誕生日を祝って貰いました。本日、担当して下さっていた職員さんは、たまたま養護学校高等部の卒業式の日に(当時は支援センターの職員さんとして)学校まで送迎サービスの車で送って頂いた方です。「この前、卒業式に送って行ったと思うのに、早いものですね。」と話して下さいました。本当にそうです。学校を卒業して8年目を迎えています。沢山の方々に支えられながら、H園を基盤にして充実した楽しい社会人生活を送っています。

 最近のH園では、5月のプチ外出、6月の半日外出とお出かけが一段落して、健康診断があったり、新しい車椅子の仮合せをしてもらもったりしています。ともちゃんのグループで作って販売しているマドレーヌ「まいどレーヌ」のラベル貼りや、夏祭りのポスターの依頼を受けるなど、日々の仕事も頑張っています。 特にポスターやチラシを作ることは自分のメインの仕事として、ともちゃんは意欲的に取組んでいます。

 25歳になったともちゃんの様子です。何年か前から、自分で希望して伸ばし始めた髪は、もうお尻に届く長さになりました。今年、春より訪問看護師さんに週1度、髪を洗って貰っています。「髪長くなったね。サラサラの綺麗な髪やね。」と言って貰うと嬉しそうです。オシャレ大好き、お買物大好き、お出かけ大好き。賑やかで楽しいことが大好きです。ともちゃんには重い肢体不自由とともに重い知的障害もあります。けれど、積重ねてきた日常生活の中で、状況を推測して「ちゃんと期待しているんだ。」と思わせることを再確認できた嬉しいエピソードがありました。2つ紹介します。

 今日はH園で車椅子に乗ったまま車に乗る練習(ともちゃんは車に乗る時は基本、抱っこです)をしました。園の周りを少しドライブしたのです。ともちゃんはリラックスして、機嫌良く楽しげに乗っていたそうです。ぐるりと回って園に戻ると、その途端「えー!」っと怪訝な表情に変り、がっかりしていたそうです。職員さんからこの話を聞いたお母さんには、思い当たることがありました。

 昨日、園からの連絡があった時に、「今年も秋には映画村に行きますよ。」という話を聞いて、ともちゃんに「また映画村に行くねんて! 楽しみやな~!」と話していました。ともちゃんにとって「えいがむら」は楽しい言葉です。ニコニコ嬉しそうにしていました。今日のプチドライブを、映画村に行くと思っていたのではないでしょうか。

 8日前の7月17日のことです。大阪時代からお世話になっている大学病院のリハビリ科を受診しました。「帰りにショッピングモールのゲームセンターに寄ろうね。」と話していたので、ともちゃんは楽しみにしていました。リハビリの後、病院のレストランで注入を終えて、ともちゃんはニコニコして張切っています。ところがモールに行くべく車に乗ろうとした途端、ともちゃんの表情がさっと曇りました。「えっ、もう帰るの! ゲームセンター寄るって言うたやん!」と言いたげな様子です。そう、今まで行ったゲームセンターは必ずフードコートの隣にあって、ミルクの注入をした後すぐに車椅子で行ったものね。「大丈夫、これから車で行くから。」という声かけに半信半疑の表情でしたが、ゲームセンターに着くとご機嫌の笑顔に戻っていました。

(2018/3/11追記)
 20歳で成人式を迎えて以来、「次の区切りの年齢まで無事に成長してくれた!」と当時嬉しく思って、たいそうなタイトルをつけました。が、逆にそれが恥ずかしい気がして、タイトルを考え直そうかと思ってるうちにアップしそびれていたものです。

 ともちゃんは10歳の時に経管栄養と在宅酸素になり、体調が安定してきました。社会人になって、H園の一員になるとともに、社会福祉制度を積極的に利用するようになりました。重症心身障害者としてのともちゃんの医療を何でも相談できる大阪時代からずっとお世話になっている病院も、てんかんの薬をもらっている近くの病院もあります。

 このまま、ともちゃんは多方面に多くの人々に支えられながら、順調に人生を謳歌していけると確信していた頃です。「ともちゃんが30歳になった時には」とか、「半世紀のお祝いは」とか色々思い浮かべながら、書いていました。

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